【 蜂蜜カステラ 】

店では、業務用の窯、全面を利用して作りますので、1回で18斤分(約57cm×87cm×6cmh)が
焼きあがります。重さ10kg以上になり、それを、焼き上がってすぐ、持ち上げたり、裏返したりで、
かなりの力のいる作業になります。

くまなく全体に糊を塗った木枠(3cm×6cmの角材を使用し、内寸57cm×87cm)を大きな紙
(100cm×130cm)の上に乗せ、木枠に貼り付けます(紙を木枠の下、外側から回して、内側に
折り込み、しっかり貼り付け、一旦、乾かします)。これで、木枠に紙の底がつきました。
ここに、同じ大きさの紙を、その内側に敷き、側面まできれいに折りながらカバーし、余った部分は
外側にテープ止めします。最後に、直接、生地を流し込む、薄い紙(グラシン紙)を、同じ要領で
敷き込みます。これで、四角な焼き型(内寸57cm×87cm、高さ6cm)の完成です。

180〜200℃にしたオーブンに、型に使用した大きさの紙を5枚敷き、そこに型を乗せ、生地を
流し込みます。自然と平らになるくらいの柔らかい生地ですが、ヘラで平らにします。
その時、生地の中の大きな気泡を消す為に、ヘラで、底の部分全体を切るように混ぜます。
一旦、オーブンを閉めますが、2〜3分後に、最初に霧を吹き、今度は生地上半分ぐらいを
同じようにヘラで生地の中の気泡を切ります。平らにならし、最後に表面の気泡を霧を吹いて
消します。

オーブンを閉め約20分、表面に焦げ色が着いたら、もうひとつの木枠(紙も何も処置していない)を
乗せ、フレキシブルボード等で蓋をします。後は、時々、ふくらみ具合を見るためと、蒸気を逃がす
目的でボードを上げ下げします。約30分〜40分で焼きあがりますが、生地が膨らみきって、
その後、沈みますので、その時点から5〜10分が目安です。

焼き上がったら、取板に滑らすように乗せ、取り出します。表面にクッキングシートを敷き、
もう一枚の取板を乗せ、上下の取板をしっかり掴み、上下反転し、一旦、枠、紙を除去します。
グラシン紙はそのままにします。木枠をはめ、取板を乗せ、しっかり掴んで再び反転、
冷めたらカットです。カットは濡れタオル(あまりきつく絞らない)でナイフを湿らせると、
きれいなカット面になります。

家庭用のオーブンレンジでも、型、蓋など工夫して挑戦してみてください。
・生地は、2倍弱に盛り上がりますので、丸金型の内側にボール紙で高さを確保しましょう。
・ボール紙の内側にグラシン紙等で、型からきれいに分離できるようにしましょう。
・蓋も耐熱用のボード、金属等を要しましょう。

◆ 基本配合(7号丸型 1台)
・卵(全卵)  280g
・砂糖  225g
・水飴  15g
・蜂蜜  15g
・梅酒orみりん  8g
・小麦粉(薄力粉)  120g
・牛乳  35cc

◆手順
・卵と砂糖をミキシングします。(業務では30分の長時間のミキシング、倍量以上になります。)
・その途中に、水飴、梅酒に溶かし込んだ蜂蜜を加えてミキシング。
・篩った小麦粉をすばやく合わせ、牛乳を加え、均一の生地にします。
・後は上の要領で焼き上げます。

このカステラは、他のスポンジケーキなどに比べ、砂糖の量が多く、どっしりした生地になります。
しっとりした食感があります。バターケーキも重い生地になりますが、油脂分が少ない分、
こちらの方が、あっさりしています。

焼き方、立て方、少し難しいとは思いますが、挑戦しがいのあるお菓子です。