地獄に仏

2003/08/14

『ぅうっ、痛い! もう、我慢できない』

天白区植田(名古屋市)の現場を、残務整理を終え、現場を車で出たのは7時半過ぎ、
出てすぐ、後輩がうめきだした。その前、5時近く、数回、嘔吐、下痢をし、調子の
悪さを訴えていたのだが、横になり、一旦は回復していた(ように見えた)。
この分ならば、診療所へ行くこともないと思っていたのだが、・・・・

後輩の突然の七転八倒、こちらも、必死で左右、診療所を探しながら走らせると、
幸いにも、日進町の手前、平針あたりで、左手に内科診療所の看板を発見、
まさに、地獄に仏、看板が神々しく輝いていた。

駐車場には着いたものの、すでに自力で歩くことがきない状態、肩を貸し、何とか、
診療所のソファーに座らせる。時間からして、その日の診療も終りに近いらしく、それでも
診療所には、3人ほど診察を待っている状態であった。
そこを、受付に症状を説明し、真っ先に診てくれるように頼んだのであるが、

「前の人がいますので、ソファーでお待ちください。」

「あの〜、かなり痛がっているのですが・・・」

「分かってます。お待ちください。」

少し、ムッとし、きつい口調の受け答えが返ってきた。

後輩、座っていることもできず、ついに、ソファーに横になる。
脂汗を流し、顔色も青白くなり、意識も薄くなってきたようだ。

「何度も申し訳ないのですが、急いで見てもらえないでしょうか。」

「順番がありますので、お待ちください。」

チラッと後輩の方を見たが、それでも、まだ、意地を張っている。
なんとも、強情(薄情?)である。

呼吸は荒く、顔色はどんどん悪くなる、どう見ても、尋常ではない。


・・・・・・・・・・


「では、どうぞ」

看護婦が呼んだときには、本人は立って、診察室に入れる状態ではなかった。
直接、診察室のほうに向かって、

「先生、申し訳ないのですが、こちらへ来て見ていただけませんか」

そこで、やっと、抜き差しならぬ状態を理解してくれたようである。
すでに、診療所へ来てから、20分以上、経っていた。

医者も問診をしたのであるが、後輩は地獄の苦しみの中、声も出すことも
ままならず、首を縦か横に振るだけの意思表示。

で、結局、先生、何をした(治療)かというと、「ふぅ」と一息ついて、・・・<下に続く>


















(さじ)、  曲げた  投げた。





  女鬼  受付に向かって 「119番!」



おいおい、お前、医者だろうが。



処置をしろ! 処置を!



手に負えないなら、



初めに見て、そこで通報しろよ。



これじゃあ、丸っきり、








『地獄に  鬼 』 そのまま



まあ、診療所が救急車を呼ぶのも、ある意味、診療所にとって、地獄?
周り近所に、『ヤブの証明』をしているようで・・・

搬送された病院での診断、『急性すい臓炎』、
でも、これって、・・・

今回の隠れ主人公:黄色ブドウ球菌
潜伏場所:手作りの食品(おにぎり、弁当、サンドイッチ)
潜伏期間:1〜8時間(3時間)
潜伏後の罪状:吐気、腹痛、嘔吐、下痢
その幇助者:名古屋市天白区平針近辺の内科医及び、そのスタッフ一同





自分も、現場へは、安月給もあり、弁当を持参していた。時々、車内に置き忘れ、それでも、
捨てるのも、もったいないと、少し、においが来ていて、糸を引く状態もお構いなしに、腹に収めた時も
あった。身体に悪いかどうかは別にして、そういう時は、意外と下痢も吐き気も来ない。
なまじ、においも見た目も良さそうなときが要注意。

腐乱菌が発生した場合は、食中毒菌がはびこる余地がないらしい。
逆に、危ない環境にあったにも関わらず、『おいしそう』が危ないという訳です。

そうは言っても、臭かったら、誰も食べない? 食べるのは、自分ぐらいか。