ふぐ食う無分別 食わぬ無分別

2004/10/01

Question:ふぐが膨らむのは、内臓のどの部分を膨らますのでしょう?次の4つから選んでください。

Answer1:胃
Answer2:肺
Answer3:肝臓
Answer4:浮袋【鰾と書く】(硬骨魚類の体内にあって内部に気体を満たした薄い膜状の袋。
浮き沈みを調節するほか、種類によっては聴覚・発音・呼吸などのはたらきとかかわっている。)

9/31のテレビ、クイズ番組『クイズ$ミリオネラ』、
ゲストが1000万円を目指して挑むクイズ番組からです。

ある人物、釣りを趣味にしているから知っているだろうと友人との電話相談を選択し、
友人(他3人同席)に連絡、しかし、様子からして、その知識はないようで、
散々迷った挙句、電話切断の瞬間、慌てて2番の『肺』を選択。
その様子に回答者、これまた散々、迷って、迷って、迷った挙句、

「友人を信じます。友人に賭けます。2番でお願いします。」

・・・っえ? なぜ? ひょっとして、ふぐって哺乳類だった?

確かに、うきぶくろで空気呼吸する肺魚などと言う特殊な魚もいますが、

 はいぎょ【肺魚】
  硬骨魚綱肺魚亜綱に属する淡水魚の総称。全長40〜180センチメートル。
  体は細長く、胸びれと腹びれはむち状または葉状。
  鰾(うきぶくろ)に相当する器官が肺のような構造となり、乾季には空気呼吸をする。
  古生代中期から中生代にかけて栄えた。
  原始的な形質をそなえ、現在はオーストラリア・南アメリカ・アフリカの三大陸に数種が分布。

ふぐって、立派な魚では? 
まあ、確かに、膨れたりして、おかしな魚だけれど、・・・

そもそも、魚類であるゆえんは、その呼吸法、鰓(えら)で呼吸するからに他なりません。
水中で肺を持っていても役に立ちません。と言うか、溺れてしまいます。
鯨、イルカ、マナティ、ジュゴン、オットセイ、セイウチ、トドなどの哺乳類、
亀、サンショウウオ、イモリ、蛙などの両生類、ワニなどの爬虫類、
これら、水中を生活の場所にする生き物はいますが、
エラを持たない(両生類の変態前はエラ呼吸)ため、肺による空気呼吸、
決して、沈みっ放しでは生きていけません。

司会者、回答者を気遣ってか、その点には一切触れませんでしたが、
魚がエラ呼吸で酸素を得ることは小学生でも知っています。

4者択一で一番可能性が薄いというか、0%の項目選択には、少しばかり・・・、
『ふぐ食う無分別、食わぬ無分別』、
いかにも、あやふやそうな他人の意見に下駄を預けるのは、
まさに、無闇やたらの『ふぐ食う無分別』です。

で、気になる答えの方はと言うと、・・・
肝臓や心臓の類に空気を入れるのは、ちょっと辛そうだし、
空気の入りそうな臓器は、胃(消化器官)、肺、うきぶくろ、
それでもって、魚は肺を持たない、
更に、うきぶくろは、答えとして、いかにも最もらしくて、答えとしては怪しい。

それらを加味して考えれば、そうです、答えは『胃』です。
(『うきぶくろ』と予想した自分、エラ 偉そうなことを言う資格もありませんが・・・)


---<ふぐ食う無分別、食わぬ無分別>---
意味は「フグの毒にかまわず、無闇に食べるのも無分別だが、
毒を恐れて美味を味わわないのも無分別」だそうです。

このことわざ、いかにも思わせぶり、真意がありそうですが、ナンモありません。
強いて言えば、人間と言うものは皆、無分別・・・、ですかねえ。

今でこそ、安心して調理した『ふぐ』を堪能できる世の中になりましたが、
当然、『ふぐ』を調理し、人に食べさすには免許が要ります。

で、勝手に自分で調理して、自分で食うには、各自己責任、
『当たるも八卦、当たらぬも八卦』の世界なのですが、
かつて、勤めていた会社にいた時、上司が釣ったと言う『ふぐ』、
当然、資格もない上司が捌いて、「さあ、食うぞ!」と言うことになったのですが、
『食わぬ無分別』、いやいや、むしろ、分別の賜物、はたまた、小心ゆえ、








逃げました。


いくら上司と言えども、下駄どころか、命を預けるわけには・・・

で、その上司、(他、数名)

ちょっと、シビレタ!








と、冗談を飛ばしながらも、生きています。

さすが、『分別ある』 勇者たち!


---<下駄を預(あず)ける>---
[自由に動くことができなくなるところから] その事柄に関する一切を相手に任せる。


---<しゅうえき【周易】>---
中国、周代に行われたとされる占い法、三易の一。
陰陽説に基づき、陽を ━、陰 ━ ━ で表し、
その記号の組み合わせで 八卦(はつけ) を作り、
更に八通りに組み合わせて 六十四卦(ろくじゅうしけ) とし、それぞれに名を与え、
これによって宇宙万物の生成・発展・消長を説明しようとするもの。
太古の聖人伏羲(ふつき)が八卦を作り、
周の文王が各卦に説明をつけ(卦辞)、
周公が解釈し(爻辞(こうじ))、
孔子がその原理を明らかにした(十翼)といわれているが、
実際には、戦国末から漢代中期にかけて集大成されたもの。
後世、易経として五経に加えられた。
今日、易といえば周易をさす。

---<はっけ【八卦】>---
易の卦を示す陰陽二種の爻(こう)により形づくられる形象。
この中の二種を組み合わせて、自然・人間などのあらゆる現象・属性を表し、判断の基礎とする。

---<当たるも八卦、当たらぬも八卦>---
[八卦は占いを表すことから] 運を天に任せる。