転ばぬ先の杖

2004/11/30

国土交通省と警察庁が共同で作成した交通安全マップなるものがあります。

交通安全マップ

遠出などして知らない場所を走るのは不安なもの、
そんな場合、その経路を、あらかじめ参照し、事故多発地点の予備知識を持つことで、
少しは、その危険を回避できるのかも知れません。
普段、走り慣れている地域でも言えることですが・・・。


そのマップ上で、三ヶ日町での唯一の事故多発地点は、
店の前の国道、362号線を西に1kmほど行った所の峠付近が該当しているのですが、
それも、平成2年から5年の間と言う、かなり過去のデータになりますが、
年間平均2件(単独1件、正面衝突0.5件、追突0.5件)となっています。

その事故多発の状況をかんがみたのか定かではありませんが、
三ケ日町内を走る唯一の国道で、ここが事故多発地帯と言うことで、
優先的?に道路改良が行われ、2年ほど前、その工事が完了しました。

それまで狭かった幅員は拡張され、道路曲線も緩やかになり、見通しも改善されました。
そのおかげもあって、平成5年以降の事故件数は0件となっていて、
今現在では事故多発地帯と言う名称はふさわしくありません。
そして、その工事の副産物として、かつて竹薮にさえぎられていたレイクビューが眼下に開け、
三ヶ日町でも有数?の快適空間に変貌しました。
言い換えれば、絶好の 脇見 スポット?に生まれ変わりましたので、
これから、ひょっとして、事故多発地帯に返り咲く可能性はあります。


最近、自損事故を起こしたと言う女性が来店したのですが、
本人曰く、ハンドルが勝手に回りだし、反対車線のバス停付近で縁石に接触する形で
止まったらしいのですが、反対車線を横切る際、幸い、対向車がいなかったので
最悪のシナリオである、正面衝突は避けられたのだそうですが、
その不自然なハンドルの動きに、その車の運転を再開するのが怖くなり、
その日は、家人の迎えで帰宅したそうです
(車は牽引して帰ったのか、そのまま放置したのかは?)。

翌日、車の機械的不具合だろうと、整備工場にて点検をしてもらったのですが、
どこも異常なしの結果でした。こうなると、安心どころか、逆に、ますます、
その車への恐怖心を増長させるものでしかありません。
車が呪われている?
事故現場が呪われている?
それとも、本人のハンドルの操作ミス(本人は否定)?

その事故現場と言うのは、店の前の国道362号を、
先ほどの、かつての事故多発スポットとは逆の東へ1kmほど行ったところ(佐久米峠東)、
浜松方面からこちらに向かって、少し急勾配の上り坂を右にカーブ、続いて左にカーブし、
東名高速道路のガードをくぐり、くぐり終えたところで、右にカーブし、峠頂上です。

更に、その場所は、今年の5月(6月?)、別の女性(知り合い)が起こした
人身事故(自損)と同じ現場と言うのです。
実は、その頃、男性客(その女性の嫁いだ家の義父)が、ケーキを病院の孫娘に
持っていくという話から、その人の息子の嫁が事故を起こしたこと、
それがために、同乗していた孫娘が重体になり、2日ほど意識不明の
重体になったことなどを聞いていて、事故の話自体は承知していたのですが、
事故がどこで起きたのかは承知していませんでした。

そう言えば、7,8年前になりますが、知り合いの老夫婦が病院の帰りに、
正面衝突の事故があり、二人とも亡くなられた悲惨な出来事も、その辺りの事故と聞いています。

とにかく、今回の出来事は、考えれば考えるほど不自然なのも確かです。
右へのカーブ地点、スリップだとしても、車体は左へ滑っていくもの、
いくら雨が降っていても、右へ滑っていくとは考えられない。
それに、上り坂と言うのも腑に落ちない。何よりも、本人はスリップではないと言っているわけで、
確かに、おかしな現象と言えます。

これが、その現場です。通りがかりに撮影したのですが、ガードレールに突っ込んだ跡が・・・


バス停から反対車線を撮影


バス停から西に向けて撮影、この先、峠になります。

痕跡からすると、明らかに店に来た女性の車(軽自動車)によるものではないようです。
ガードレールが破損した場合、どのくらいの期間を経て復旧されるのか分かりませんが、
半年間も、そのまま放置することは、安全上、問題があるわけで、
5月の事故の時の跡とも考えられない。(かも知れない?)
と言う事は、また、新たに事故が発生?

事故多発地点マップには掲載されていませんが、三ケ日にお越しの際は、
転ばぬ先の杖、くれぐれも、この地点にご注意ください。
佐久米峠です。佐久米峠!、『さくめ』と読みます。




クロソイド曲線

ハンドルを等速度で回して言った場合の、車の描く軌跡になります。
要するに、徐々にカーブをきつくする意味合いがあり(その逆も)、道路設計の基本に『キ』なります。
車のスピードが第一なのは当然ですが、そのハンドル操作速度が緩ければ緩いほど、
車自体の走行における安定性が保たれる訳です。

そもそも、それは、急激なハンドル操作による事故防止を目的にしているのですが、
地理的な(崖などが迫っている)理由で、計画道路としての十分な余地がなく、
ハンドルの急激な操作が必要だったり、その回転の、一定の変化率を保てない場所も
あるのかも知れません。

ひょっとして、それが、不可解な事故の、ひとつの要因になっているのかも・・・