愛玩動物として、僕達の周りにはペットがいる。僕は動物が好きで、部屋中ハムスターだらけである。今回は、ペットと、人間についてを、自称ハムスター界のトップブリーダーこと、早川修がそれについて書いてみる事にする。
なんて、大層なことを書いたけど、ただ、僕とペットの日記みたいな感じになっちゃうんだろうなぁ。
実は、八月二十三日、買い物から帰ってきてハムスターに餌をあげようとしたとき、ゴールデンハムスターのテンテンが、トイレの中で死んでいるのを見つけた。いつもなら、レタスとかを持ってくると、いの一番に飛び起きてゲージにしがみつく奴なのに、その時だけは起きてこなかった。不審に思った僕は、トイレで寝ているテンテンを触ってみた。
冷たく、硬い。
僕はゲージを床に下ろすと、テンテンの屍骸を新聞に包み、庭の隅に埋めた。
テンテンとの付き合いは、もう2年近くになるだろうか。はじめて早川家に来た時は、もう大人。人間の年齢に直すと、二十歳を過ぎていたと思われる。
初めは馴れなくて、大変だった。僕の手に噛付き、母親の手に噛付き、ジーパンを齧り、机を齧り、ゲージを齧りトイレを齧り回し車を齧り・・・。
んもうとにかく齧って齧って齧りまくったわけである。
しばらく経つと、ようやく飼い主が誰か認識した様で、よく僕になついてくれた。僕は毎日の様に遊んでやり、1時期は風呂にまで連れて行こうという暴挙に出る(母親に窘められて諦めたが)くらい可愛くて仕方なかった。
そのテンテンが、死んだのである。
僕はテンテンを庭に埋葬し、合掌した。部屋に戻ってゲージを殺菌消毒し、次のハムスターを迎える準備を整えていた。
さて、僕は小説家、エッセイストとして現実世界で活動しているわけであるが、そういう仕事をしていると、日本国内外の様々な情報や、小さな事件が飛び込んでくる。その情報を駆使して小説を書いたり、エッセイを書いたりするわけであるが、実は、ペットに関してのちょっと悲しい事件が起こっていたのである。
某月某日。近所の会社でOLをしている女性が、ゴールデンレトリバーを飼っていた。とても毛並みのいい、飼い主によくなついた犬だったそうだ。
その幸せな家を、空き巣が襲った。そして、勇敢に立ち向かった犬を、空き巣が包丁で刺し殺してしまったのである。
そして、飼い主が、自殺。
人間の心の支えになっている物が、突然消えてなくなると、人間はこうも脆く、弱い動物なのだと実感した。
さて、なんだか話が湿っぽくなっちゃった。ここからはカラッと変えて行こう!
さて、現在テンテンを抜いて、早川家には7匹のハムスターがいる。この前新しく我が家に現れた「モモ」について書いてみたいと思う。
モモは、ジャンガリアンハムスターの、パールホワイトという種類である。ちょっと病気がちで、すぐ体調を崩してしまうが、とても可愛い奴なのである。
さて、そのモモが起こした騒動があった。
夜。ハムスターが活動する時間である。僕はモモをゲージからだし、部屋の中を散歩させていた。すると、突然モモの姿が見えなくなったのである。
僕は慌てて部屋中捜索したが、見つからない。そこで急遽、
「モモ捜索隊」
を結成したわけである。隊長兼隊員は、僕一人。部屋の中にいなかったということは、開いているドアから外へ出た可能性が高い。
部屋を出ると、右手に階段があり、左手にはトイレがある。僕はまず、階段を捜索し始めた。あの高さから落ちたら、即死である。幸い、階段から一階に落下していない様だ。
次にトイレにも行ってみたが、ドアもしまっていたし、気配すらない。
次は、母親の部屋である。僕は母親の部屋を捜索し始め、ついにモモを発見した。
ベッドの下である。そこで捜索隊は「モモ救出作戦」を決行した。
まず、大好物のチーズでおびき出そうとした。しかし、カマンベールチーズではなかったので、失敗。
次に、まごのてを使って引っ張り出そうとしたが、逃げられて失敗。まごのてが届かない奥まで入っていってしまったのである。
最終作戦に僕は出る事にした。ベッドのマットレスをひっくり返し、そこから引っ張り出すという強引な作戦である。
見事、モモを無事救出。やりましたぁっ! モモは捜索隊の手によって、無事保護されましたっ! おめでとう! ありがとう!
閑話休題。
さて、ついハイテンションになってしまったが、ハムスターは基本的にねずみであるから、暗く、狭いところを好む習性がある。このことを生かして、そういった隙間に入らないように補習作業を行い、現在では全員安全に散歩を楽しめるようになった。
さて、また話が変わって申し訳ないが、今度は病気の時の話である。
テンテンが、骨折したのである。
さっきの話に関連することなのだが、隙間に入り込まないようにするため、ハムスターボールという器具を購入した。これは、その名の通り球で、中にハムスターを入れて散歩させるための器具である。これに乗った(入った?)テンテンが、階段から一階まで落下して、左前足を骨折したのである。
僕は慌てて母親の車に乗りこみ、M動物病院へと向った。
一週間後、テンテンは回復し、無事我が家へと戻ってきたのである。
それから一時間と経たないうちに、ゴールデンハムスターのベンが、ウェッドデールと呼ばれる下痢になっちゃったのである。
僕らは再び動物病院へと向い、入院する羽目に。
現在はいたって元気である。ハムスターというのは、本来病気にかかりやすく、最もなりやすいのが、ウェッドデールと癌である。
実は、ジャンガリアンが一匹、末期癌で、先がそう長くないとのこと。現在は静かなところで、余生を過ごしてもらっている。
人間に安らぎを与えてくれる反面、こんなに手間がかかる動物、ペット。
手間がかかり、お金もかかる。それでも人は愛玩動物を求める。
それはきっと、心の隙間を埋めようとしての行動だと、僕は思っている。
確かに、一人だと寂しいもんね。
(了)