GODSPELL/The New Freedom Singers(MFP/5606)

Side 1
1.Prepare Ye The Way Of The Lord*
2.Save The People
3.Day By Day
4.Learn Your Lessons Well
5.All For The Best
6.All Good Gifts*

Side 2
1.Light Of The World
2.Turn Back,O Man
3.We Beseech Thee
4.On The Willows
5.Long Live God
6.Day By Day(Finale)

タイトルの"Godspell"は英語の"Gospel"のドイツ語表現だそうだ。収められた作品は"Godspell"はStephen Schwartzという人の作によるものだが、 John Lawtonが2曲歌っているのを始めとして、Jurgen Drews(Side1-2)も参加しており、またギターも明らかにPeter Hessleinのフレーズ が聞かれる(Side2-1,5のギターはElectric Foodだ!)等、LHSファミリーが全面参加していると思われる。正面切ってゴスペルと言っている 割には、内容は一般的なゴスペルというニュアンスとはかなり違った趣がある。歌詞の内容は主を讃え感謝するというオーソドックスなも のが多いようだが、曲調はバラエティに富んでいる。アコースティック・ギターによるフォーク調もあれば、ホンキートンク調あり、場末の ジャズバー調あり、演劇的要素を取り入れたミュージカル風の曲もある。Lawtonの歌うSide1-6はグリーンスリーブスを思わせるような英国 民謡調の音階が効果的に使われた佳曲だ。リプライズの手法を使ったトータル・アルバム的な構成も憎い(Side2-6だけでなく、Side2-5 ではSide1-1のサビを使っている)。こうなるとプログレッシブ・ゴスペルとでも呼びたくなる。聞くほどに不思議な魅力に取り憑かれる傑作 だ。

[2001.11.24補足]
"Godspell"は"Jesus Christ Superstar"と並ぶ、キリストの最後の日々をテーマにしたロック・ミュージカルだということが判明した。 「"Godspell"は英語の"Gospel"のドイツ語表現」は間違いで、「英語の"Gospel"の語源」というあたりが正解だろう。 両者は70年代初めのほぼ同時期に発表された。"Jesus Christ Superstar"は1971年2月に音楽の方が先にチャートを制し、続いてミュー ジカルが同年10月にブロードウェイに進出した。一方、"Godspell"はカーネギー・メロン大学のJohn-Michael Tebelakが学生の練習用 に書いた脚本にStephen Schwartzが曲を付けたところから始まった。1971年5月にオフ・オフ・ブロードウェイで初演を飾り、次第に 人気を集めて1976年6月には遂にブロードウェイ進出を果たした。音源としては、1971年にオフ・オフ・ブロードウェイのメンバーに よるレコードが発売され、1973年には映画化されてサウンドトラック・バージョンが発売された。このほかにも1993年、1995年、2000 年、2001年のバージョンのアルバムが発売されている。"Godspell"はよく"Jesus Christ Superstar"の物まねと評されるが、後者が キリストを懐疑的、世俗的に捕らえているのに対し、前者は敬虔なキリストの姿を描いている点で大きく異なる。
The New Freedom Singersのバージョンについてはどのような経緯で作成されたか定かでないが、アメリカで話題になっているロック 物のカバーということでレコードのみが企画されたものではないかと思う。

All songs written by Stephen Schwartz.
*:Vocal By John Lawton.

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