2025年 溝手康史
2025年3月20日
リーダーの法的責任
日本山岳スポーツクライミング協会、夏山上級リーダー講習会、オンライン
2025年3月7日
日本山岳・スポーツクライミング協会、ガバナンス委員会
日本山岳スポーツクライミング協会(JMSCA)のガバナンス委員会が、21時から開催される。
私はオンラインで参加する。
夜の開催となったのは、その時間帯しか関係者の都合がつかなかったからである。
私は、JMSCAの夏山リーダー講習専門委員、役員選考委員、ガバナンス委員になっている。
日本では、あらゆる団体で会議と報告書が多い。JMSCAも会議が多い。役員の中にはほぼ毎日会議をしている人もいるようだ。
JMSCAは公益社団法人であり、一部の専従職員を除き、役員は無報酬であり、これらはボランティア活動ないしボランティア活動的な活動だ。
ただし、交通費などの実費が支給されるので、有償である。無報酬、有償ということ。
JMSCA主催の講習会の講師には、低額の謝礼が出るので、これは報酬である。
JMSCAに限らず、ほとんどのスポーツ関連団体の役員は、ボランティア活動ないしボランティア活動的な活動をしている。
全国的な組織は、役員に交通費などの経費の支払をするが、地方の組織は経費の支払いはなく、たいてい手弁当である。
このようなボランティア活動で、国体、スポーツイベント、オリンピックなどが実施されている。
これらのボランティア活動は、義務ではないので、「嫌ならしない」が原則だが、国体やオリンピックなどを実施しないわけにいかないので、これらの世話をすることは、義務的ボランティア活動になる。ボランティア活動が義務的になる場合は、社会奉仕活動と呼んだ方がよい。
弁護士会の委員会は、無報酬だが、交通費が出るので、有償、無報酬の活動だ。
これも、義務的な傾向がある。
私は、5つくらいの弁護士会の委員会に所属しているはずだが、時間がないので、何もしていない。
自治体や国が設置する第三者委員会の委員、情報公開審査会委員などの各種委員、自治体での相談、講演などは、弁護士の仕事であって、ボランティア活動ではない。
しかし、自治体や国は、これらを弁護士にボランティアとして依頼する傾向がある。その方が安上がりだからである。.
自治体関係の各種委員仕事の報酬額は1日1万円程度であり、ボランティア的な仕事になっている。
自治体は「金がない」というのが口癖で、無意味な事業を実施して多額の無駄遣いをするので、弁護士の報酬をケチる。
自治体主催の講習会でも、遠方に1泊2日で講師をしても、講習時間が4時間程度あれば、報酬は2万円程度である。これもボランティア的仕事と言ってよい。
国までも、自治体にならって、弁護士に支払う報酬をケチることが多い。
ボランティア活動と仕事の区別がなければ、弁護士の職業が成り立たない。
しばしば、第三者委員会の活動が世論から叩かれ、第三者委員会の委員が多額の報酬を税金からもらっていると思い込む人が多いが、ネットで誹謗中傷するのは、自分ではボランティア活動をすることがない人たちであり、「他人は多額の金を得ている」と思い込みやすい。しかし、世の中には、善意に基づいて金にならない活動をする人は多い。
以前、私は、30くらいの団体の役員や委員をしていたことがある。それらはすべてボランティア活動ないしボランティア活動的活動である。
それらを整理し、かなり減らした。
「〇〇した方がよい」と考えれば、ボランティア的な組織や活動、会議が際限なく増える。
弁護士会は、「〇〇した方がよい」と考えて委員会を増やしたので、日弁連には50くらいの委員会があり、毎日、多くの会議を実施している。
それらは必要性に基づいて行われているが、その経費を捻出するために、弁護士会の会費はどこでも月額5万円以上になっている(各地の弁護士会によって異なる)。日本の弁護士会費は世界一高額だ。それが、弁護士会の多くの活動を経費的に支えているが、同時に、弁護士のボランティア活動の大きな障害になっている。弁護士の仕事をほとんどしない「ボランティア弁護士」にとって、高額な弁護士会費は、弁護士登録することの妨げになる。
義務的ボランティア活動をしていると、それだけで人生の時間が終わりかねない。また、ボランティア活動で過労死しかねない。
それをライフワークと考える人はそれが本望かもしれないが、そうではない人は、ボランティア活動に優先順位をつけること、トリアージが必要だ。
「〇〇した方がよい」ではなく、「何をすべきか」が重要なのだ。そのためには、「〇〇した方がよい」ことであっても、「それをしない」ことが必要になる。
2025年3月3日
「登山道の法律Q&A 登山道に関して生じる法律問題の解説」
デザインエッグ発行
82頁
1210円
2025年3月3日発行
登山道があるのが当たり前だと思っている人が多いが、登山道について知らないことが多い。登山道は誰が設置、管理、整備しているのか。登山道の欠陥のために事故が起きた場合に誰に責任が生じるのか。登山道以外の場所を歩いてもよいのか。犬連れ登山ができるのか。登山道に関する要望は誰に言えばよいのか。本書は、登山道に関して生じるさまざまな疑問について、登山の法律問題に詳しい弁護士が33の質問と回答形式で書いている。
2025年1月
安芸高田市に対する国家賠償請求訴訟
2023年に安芸高田市に対し、国家賠償請求の裁判を起こした。
これは、安芸高田市に戸籍謄本等の請求を行ったところ、交付請求書記載のものと異なる謄本が交付されたことについて、市の窓口担当者の義務違反を理由とする損害賠償請求である。
当時は石丸市長だった。
私は市に「対し、なぜこのような書類の交付になったのかという説明を求めたが、市はまともに回答しなかった。
そのため、やむを得ず、提訴した。
当初、三次簡易裁判所に提訴したが、職権で、広島地裁三次支部に移送され、さらにそこから、広島地裁本庁に移送され合議事件に付された。
裁判所から見れば、3人の裁判官が担当しなければならない大事件だったようだ。
裁判の中で、安芸高田市の戸籍の窓口業務を民間委託し、民間人が戸籍謄本の交付事務を行っていることが判明し、驚いた。
戸籍という住民のプライバシーに関わる業務を民間人が行っていることを、ほとんどの市民は知らない。この是非を議論すべきだ。
2025年1月に、裁判所の勧告に基づいて和解した。和解内容は、市は、今後、適切に事務処理を行うといった趣旨の内容だ。
2025年1月22日
霧島山の自然の保護と利用に関するセミナー・ワークショップ
主催 環境省九州地方環境事務所、霧島錦江湾国立公園管理事務所
場所 えびの市
「登山道の管理と事故の責任」について講演した。