弁護士のブログ 2009


2009年12月21日
 
片山右京氏らの遭難に関して、みのもんたの「朝ズバ」というテレビ番組で、僕のコメントが放送された。おそらく民事責任が生じないだろうという面白くも何ともない当たり前のコメントである。僕は取材したテレビ局のスタッフに、この種の事故はヒマラヤなどでしばしば起こる事故であり、珍しいものではない、冬山は危険なので、運が悪ければこの種の事故が起こると述べたのだが、それらはすべてカットされていた。マスコミはどうしてもこの事故で大騒ぎをしたいらしい。後日、この番組を見たと言う人から何人も連絡を受けたが、テレビの影響力は実に大きい。
 
 また、この日の午後、日本テレビからも同様の取材があり、僕のコメントが夕方のテレビ番組で放送されたらしい。後日、東京に住む妻の妹夫婦からテレビを見たという連絡があった。僕は番組を見ていないので、コメントのどの部分が放送されたのかわからない。

2009年12月19日

 12月18日の片山右京氏らのパーティーが富士山で遭難して2人が死亡した事故について、産経新聞から取材があった。僕は、この種の事故は、危険な登山に常につきまとうリスクであり、運が悪ければこういうことがあり、刑事責任も民事責任も生じないだろうと話した。翌日の産経新聞には刑事責任に関しては僕のコメントが載ったが、民事責任に関する部分がカットされ、早稲田大学の先生の「民事責任が生じる可能性がある」という内容のコメントを掲載していた。産経新聞は、片山右京氏の法的責任問題を大きく取り上げたかったようであり、「民事責任が生じる可能性がある」という部分が大きく報道された。
 一般論としては、仕事中の事故など、片山右京氏が上司として死亡した従業員を指揮命令する関係にあれば、労災事故になり、使用者の民事責任が生じる
ことがあるが、この事故はそのような事実関係にはなかったと思われる。大学の先生は理屈でものを考えるので、「指揮命令関係があれば、民事責任が生じる可能性がある」と述べたのだろうが、その中の
民事責任が生じる可能性がある」という部分だけが一人歩きして、これがいつの間にか、「民事責任が生じる」というニュースとして流れた。これは、僕のコメントの趣旨とは逆の内容である。だいたい、マスコミが流す情報は不正確でいい加減なものになる傾向がある。

 その後、片山右京氏は、民事責任も刑事責任も問われていない。
大学の先生が「民事責任が生じる可能性がある」という内容のコメントを出したために、片山右京氏は大変な損害を受けたはずだが、その責任はいったいどうなるのか。学者の発言の無責任。
 

 夕方、高校の同級生5人で夕食を食べた。36年にタイムスリップしたようだった。


2009年11月14日

 大阪府山岳連盟主催の「安全登山の集い」(大阪市)で、登山事故の法的責任について話をした。この種の話は、東京、大阪などで4、5回話しているが、2009年7月のトムラウシでの大量遭難事故があったので、関心が高まったようだ。法的知識が直ちに安全登山をもたらすわけではないが、登山を引率する人にとっては重要な問題である。
 参加者100名。高校の同級生の新宮原が参加していた。学生時代に登山をしていたとのこと。現在は関西大学の工学部の教授であり、内容はさっぱりわからないが、難しい研究をしているらしい。夜は、山岳ガイドの角崎氏宅に泊めてもらう。翌日、角崎氏は京都で鹿狩りの狩猟をするとのことで朝早く出かけていき、僕は狩猟には興味がないので、広島に帰った。


2009年9月20日〜22日
 谷川岳に行った。大島亮吉は谷川岳を「近くてよい山」と評したが、広島からはかなり遠く、登る機会が少ない。20日に山頂に登り、21日、一の倉沢烏帽子沢奥壁南稜を登攀し、一の倉岳岳を経て、中芝新道を下山。22日は幽の沢の岩壁を偵察しただけで帰広。

2009年9月15日
 雑誌「岳人」(東京新聞出版局)10月号に、2009年7月16日にトムラウシで起きた遭難事故の特集をしている。この中で、私は、「ツアー登山の安全性を考える」というタイトルの一文を書いた。

2009年9月6日
(日)
 広島市近郊の窓が山でクライミング。9月の連休に谷川岳でクライミングをするので、1年5か月ぶりに岩に触ってみた。5.9〜5.10cのルートで練習。久しぶりなので、リード2本、トップーロープ5本で、見事に腕がパンプし、1日が終わった。5.10cのルートはメロメロ状態だった。

2009年8月29日〜30日(日)
 芸北文化ランド(元スキー場)で、広島県山岳連盟の指導員研修会があり、そこで「登山指導者の法的責任」というタイトルで1時間20分話をした。7月の大雪山の遭難事故の後なので、けっこう関心があるようだ。
 土曜日は宴会。それにしても酒飲みが多い。

2009年8月23日(日)
 三倉岳山麓のマロンウォールでの広島県山岳連盟のレスキュー講習会に参加。講師の渡邊輝男氏とは、昨年の日本山岳サーチアンドレスキュー研究協議会(神戸市)で同席したことがある。また、以前、天応でのレスキュー講習会でも会ったことがある。参加者が余りに多すぎた。新聞広告と7月の大雪山での遭難事故のためである。
 この日、高校の同級生の瀬川氏と浜本氏に出会う。彼らは講習会の一般講習に参加し、私はクライミング講習に参加していた。浜本と会うのは30年ぶりである。高校の同級生で数年後にキリマンジャロに登る計画があり、それに私もその話に乗ることになった。そのグループのメーリングリストに加わり、以後、メールが届いているが、皆、年甲斐もなく元気そうだ。酒を飲んで朝帰りをして、そのまま10キロ走ったとか・・・・・・自転車で100キロ走行したとか・・・・・・