弁護士のブログ 2011


2012年2月4日
身近な法律問題講演会(予定)
 私が話しをします。



2012年1月12日

国立登山研修所専門調査委員会(東京)


2011年12月26日
三次地区の裁判官との協議会


2011年12月22日
広島弁護士会三次地区会の忘年会


2011年12月17日
東城町法律相談
 東城町で無料法律相談をする。相談弁護士は3人、相談者は10人。手弁当での相談会であるが、ボランティア活動には限界がある。しかし、市民は無料相談を期待し、行政や弁護士会は相談料を出さないので、ボランティアでするしかない。
 ボランティアは行政の不備の補完という意味があるが、ボランティアに甘えていては、いつまでも制度がよくならない。

 
自治体関係者は、「三次地区の弁護士」という言葉から、三次市の事件を扱う弁護士というイメージを持つらしい。三次地区を県北地区にでも変える必要がある。


2011年12月16日
弁護士登録2割が辞退
 今年の司法修習生の裁判官等にならない者の2割が弁護士登録しないことが判明した。弁護士になるには弁護士会への登録が必要であるが、登録すると月額約5万円の会費等を払わなければならない。これを払える見込みがなければ、登録できない。自宅開業でも登録が必要である。恐らく、未登録者は、アルバイトなどをしながら就職活動をするか、企業や役所の就職試験を受けるのだと思われる。
 優秀な人は、法科大学院などに行かずに、大学卒業時に大企業や官庁に就職するのではないか。大企業や官庁に就職できない者が法科大学院に入るとすれば、法科大学院の質は低下するだろう。


2011年12月12日
日弁連会長選挙
 現日弁連会長の宇都宮弁護士が次期日弁連会長選挙に再び立候補することになった。2期連続して立候補することは異例である。弁護士をめぐる状況が混迷を深めていることの結果である。宇都宮弁護士は、私が学生の頃、大変お世話になった人である。私は推薦人になった。



2011年12月4日
法科大学院の人気の低下
 
法科大学院ができてから約7年で、法科大学院の受験者が4分の1に減り、8割の法科大学院が定員割れしている。法科大学院に入れば多額の学費がかかり、年200億円以上の税金を使っている。弁護士が増えても、弁護士の仕事は増えていない。
 弁護士のボランティア活動に対する需要はいくらでもある。ボランティアの需要は部五指に限ったことではない。多くの人権活動はボランティアで担われている。しかし、将来、ボランティア活動をするために、多額の金を使って法科大学院に入ろうという者は多くない(当たり前か?)。
 
 アメリカの大学には法学部がなく、その代わりに法科大学院がある。ドイツには大学法学部があり、法科大学院はない。日本には大学法学部と法科大学院の両方がある。両方は必要ないのではないか? 日本の制度は、国と国民に金を使わせるための制度になっている。

 法科大学院に限らず、日本には大学と大学院の数が非常に多く、国の財政負担が大きい。最近、財務省の幹部が、「税金で大学関係者を養っている。大学は最後の聖域である」と言ったらしい。税金を浪費する「大学産業」に問題がある。

 弁護士が多方面で必要とされていることは事実であるが、日本には弁護士を必要としている人が費用的に弁護士に依頼できる制度がない。日本には弁護士費用の分割払制度がなく、弁護士費用にクレジットの適用がない。これを異常だと考える弁護士は少なく、ほとんどの国民は関心を持たない。

 法テラスの費用分割払制度があるが、対象者が低所得者に限定されている。
 日本には一般の市民が弁護士費用の分割払いができる制度がない。私は、個人的に費用の分割払いを実施している。病院が治療費の分割払いを実施しているようなもので、原始的な方法である。当然、途中で払えなくなる者が多い。

 日本では、企業や役所が雇用する法曹資格者が非常に少ない。あっても臨時雇用ないしボランティアが多い。
 法科大学院は、会計大学院や教育大学院と同様に、展望はあまりない。
 

 
国民は法科大学院に関心がない。一生の間に、弁護士に一度も依頼しない人が多いので、どーでもよい。エライ人たちが仲間内で何か議論をしているようだと思っている。もっとも、弁護士に相談をすることはあるかもしれないので、相談料がタダかどうかに関心はある。自分の子供が放火大学院に行きたいと言い出せば、親も感心を持つ。この問題に関心があるのは、マスコミ、経済界、大学、マスコミ、弁護士だけである。裁判官はあまり関心がない。


2011年11月26日
広島県山岳連盟70周年記念祝賀会
 
一応、顧問弁護士ということになっている。

2011年11月17日
「最新 くらしの法律相談ハンドブック」発行
 
旬報社から3訂版が出た。私も一部執筆している。

           


2011年10月25日

映画「ショージとタカオ」を見る
 
この映画は、再審無罪になった布川事件のドキュメンタリーである。


2011年10月19日
アスベスト広島弁護団
 
アスベスト被害に関する勉強会があった(広島市)。ひょうご労働安全センターの西山和宏氏の話を聞いた。今後二〇四〇年までの間に日本で四〇万人のアスベスト発がんが予測されるとのこと。広島では昨年80人のアスベストによる労災認定があったが、損害賠償請求訴訟は少ない。アスベストの七割が建築現場で使用。建築作業員のアスベスト被害者が多い。しかし、建築会社は零細企業が多く、損害賠償請求をするうえで、倒産、建築会社の特定が難しいなどの問題がある。そのため、東京などでは建材メーカーを相手に訴訟をしている。
 広島県北でもかなりアスベストの被害者は多いはずだ。しかし、そもそも、中皮腫やアスベス肺がんのできる医師が少ないため、アスベスト被害の判断がなされていないのではないか。
広島の弁護団で相談会を開始することになった。


2011年10月3日
少年審判
 
庄原警察署で逮捕された少年が、広島家裁本庁に送致され、広島市内の鑑別所に収容された。審判は広島家裁福山支部であり、保護観察処分となった。すると、広島市の保護観察所が担当なので、これからそちらへ行けと言う。


2011年9月15日
金子みすゞの詩
 
最近、金子みすゞの詩が
人気がある。
 金子みすゞの詩には、「ひとり」、「さみしい」、「泣く」、「思い出す」、「好き」、「忘れる、「なつかしい」、「おかあさま」という言葉が頻繁にに出てくる。「死」という言葉はほとんど出てこないが、死のイメージがある。未来、希望という言葉も使わないが、未来、希望に対する憧れがある。動物、自然、人間に対する愛情がある。
 それにしても、悲しい詩が多い。
 

2011年9月7日
庄原市情報公開情報公開審査会



2011年8月22日
来年も「岳人」に連載
 来年も、雑誌「岳人」(東京新聞出版局)に連載することになった。1年連載のつもりで書いてきたが、テーマの幅を広げれば、書けないこともないだろう。打ち出の小槌ではないが、脳ミソを絞れば何かが出てこないこともない。
内容はこれから考える。これで、連載は3年+2年、計5年になる。


2011年8月18日
三次市長との懇談会
 三次地区の弁護士、市長、市の職員らとの懇談会
。増田市長は、作木村長時代からよく知っている。増田氏は三次の裁判所の調停委員でもある。増田氏といろいろと話ができてよかった。


2011年8月16日
広島の弁護士の横領事件
 
広島弁護士会の弁護士が横領した疑いがあるとの新聞報道があった。億単位の金額の横領らしい。新聞には氏名の記載がないが、T弁護士である。私もよく知っている。それほど驚かない。弁護士が急増しつつあり、これからこのような事件が増えるのだろう。
 

日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構、研究室ブース
 日本山岳サーチ・アンド・レスキュー機構のホームページに、私の研究室ブースを設けてもらった。これはすべて青山先生(関西大学)の尽力によるものである。感謝。日本山岳サーチアンドレスキュー研究機構 http://www.imsar-j.org/ 研究室ブース


2011年8月15日
トムラウシ縦走、十勝岳登山
 
北海道のトムラウシを縦走した。 
  1日目 旭岳ロープウェイ駅(車をデポ)ー旭岳ー白雲岳小屋(テント泊)

  2日目 白雲岳小屋ーヒサゴ沼(テント泊)
  3日目 ヒサゴ沼ートムラウシ往復ー化雲岳ー天人峽(テント泊)
  4日目 天人峽
旭岳ロープウェイ駅(車をピックアップし、十勝岳望岳台まで移動)
  5日目 十勝岳往復
 
 2009年のトムラウシ遭難事故について、あちこちに書いてきたが、現地を歩いたことがないことがずっと気になっていた。現地を歩き、コースを経験してたうえで、発言する必要があると考えて、今回、縦走し、遭難場所を自分の目で確認した。
 
 感想は以下のとおり。
 ・このコースの道と標識はよく整備されている。危険な箇所はない。道としては、トムラウシ山頂直下を除き、ハイキング道である。
 ・避難小屋は宿泊用の小屋として整備されている。アメリカのアパラチアン・トレイルでは避難シェルターかテント泊であり、小屋はほとんどない。ジョン・ミューアトレイルはテント泊である。カナダのバフィン島のトレッキングコースには避難シェルターしかない。日本では、「避難小屋」は無人宿泊小屋をさすことが多い。小屋の理念がない。理念がなければ、便利さが追求され、際限なく整備され、それがオーバーユースにつながる。小屋は自然の中の人工物であり、小屋の設置は自然破壊でもある。したがって、小屋は必要最小限のものにとどめるべきである。
 白雲岳避難小屋は、夏の間は営業小屋になっているが、ハイキングの対象と考えれば、営業小屋があってもよい。しかし、それはもはや避難小屋とは呼べない。
 ヒサゴ沼避難小屋は無人宿泊小屋になっている。これ以上、宿泊小屋を整備すれば、さらに登山者が増えてオーバーユースの原因となり、遭難事故が増えるだろう。ヒサゴ沼に宿泊小屋のあること、縦走路が整備されていることが、初心者登山者の縦走やツアー登山をもたらしてきた。ヒサゴ沼に避難シェルターしかなく、テント泊が前提になれば、初心者がこのコースに入りにくくなり、事故が減るだろう。
 ・コースはやさしいが、歩く距離が長いのでさまざまなリスクが伴う。そこに落とし穴がある。誰でも歩けると思いがちだが、意外と体力を要する。
 悪天候時には低体温症、道迷い、疲労等。標高が低いので、快晴時には暑さからのバテや熱中症の危険がある。私が歩いた時には、快晴だったので、行動中の水2リットルでも足りず、炎天下の暑さに参った。
 ・エスケープが容易でないことが、登山のリスクを高める。

 ・私は18キロの荷物で縦走したが、避難小屋泊まりで2泊であれば、荷物はもっと軽いだろう。それでも、営業小屋泊まりに較べれば、荷物は重い。距離が長いということは、荷物が1キロでも重くなれば、大きな負荷になる。ツアー登山には向かない。ツアー登山は、せいぜい、白雲岳往復くらいにとどめるべきだろう。
 ・十勝岳は悪天候時には強風が吹き荒れるようだ。風速20メートルの中を十勝岳に登ったが、途中で引き返す登山者も多かった。下山時に、登山道をはずれてフラフラになっている登山者がいた。そのまま歩けば2メ−トルの崖から転落していただろう。その人を避難小屋まで案内した。十勝岳は天候さえよければ、ツアー登山の対象になる。
 

       



2011年8月7日

日本山岳サーチ&レスキュー研究機構総会(神戸市)

 所用があり、欠席

2011年8月2日

広島ブータン共会総会
(広島市)に出席
 

2011年7月28日
野平弁護士の講演会
(広島市)
 鹿児島で、無罪判決の出た夫婦強盗殺人事件の弁護人の野平弁護士の講演会。青法協広島支部例会。
 犯行現場に被告人の指紋11個があり、DNAが検出されたにもかかわらず、無罪判決が出たこの事件。詳細な検討は判決文を丁寧に読む必要がありそうだ。こんな事件を扱うマニアッックな弁護士は仕事をするのが楽しくて仕方がないのではないか。残念なことは、このような事件を扱う機会が非常に少ない。事件の99パーセントは罪を認めている事件である。ほとんどが窃盗や覚せい剤事件である。また、三次の裁判所では重大事件を扱わない。


2011年7月21日
原子量発電のコスト

 最近、原子力発電のコストが高いか低いかという議論がさかんになされている。
 その中で、非常に疑問に思うことがある。
 それは、原子力発電のコストの中にリスクに伴うコストがまったく考えられていないという点である。「リスクに伴うコスト」とは今回の事故にかかるコストなどである。今回の事故の直接の処理の25兆円だけでなく、その経済効果を含めれば、50兆円くらいの損失ではないかと思うが、それが原子力発電のコストである。マスコミはプラスの経済効果は宣伝するが、マイナスの経済効果を計算しないのは、片手落ちである。原発事故によるマイナスの経済効果は甚大である。
 そのようなコストなしに原子力発電を検討することはできないはずである。原子力発電のコストは、今回、下手をすると、東日本が潰れる危機があったのであり、運良く現在程度の損害(膨大な損害!)ですんでいるが、東京を含めて、東日本が全滅すれば、そのコストは計算不可能な数字になる。
 これが原子力発電のコストなのである。
 それを考えれば、脱原発を考えるのが合理的な発想である。

 あらゆることにリスクがあり、リスクを考えないコスト計算はありえない。

2011年7月12日
大山で遭難

 7月9日、広島県山岳連盟主催の登山教室で、参加者1人がトイレに行くために集団から離れ、行方不明になった。引率者は私の知人である。参加者が35人もいれば、連れて行くのは大変である。
 最初、夏山登山道付近での遭難かと思っていたら、そうではなく、振子沢での遭難らしい。象ケ鼻の近くで本隊と離れたらしい。象ケ鼻の近くであれば、沢から上に上がっていけば、ユートピアの避難小屋のすぐ近くである。小屋が見えるはずだが、どうして迷うのか??? 整備された道ではないので、わかりにくい面があるが、上に行けば稜線に出るはずだ。登山歴2年ということだから、まだ初心者である。
 その後、11日午前中に遭難者が本沢にいるところをヘリで発見されたようだ。遭難者は軽い怪我をしていたが、駒鳥小屋付近まで遭難者が歩き、そこでヘリにピックアップされたようだ。遭難者は10日は動けなかったようであり、発見されていなければ、命が危なかったかもしれない。
・初心者を引率する講習会であれば、手取り足取り、教える必要がある。ある程度の経験者を連れていく研修会であれば、参加者にまかせる部分が広い。登山ん教室の位置づけがあいまいだったのではないか。
・引率登山である異常、頻繁に点呼をとる必要がある。集団から離れる場合は、リーダーの許可を得ること。リーダーはその人が帰るまで待つことが引率登山の基本である。 


2011年7月7日

尾瀬の売却

 尾瀬の土地の大半を東京電力が所有している。東京電力が尾瀬を売却する計画があるらしい。これはある雑誌記者から聞いた話である。
 尾瀬が私有地にあるというのもおかしな話だが、日本の国立公園の4割は私有地にある。南アルプスの大半も私有地である。
 尾瀬が売却されたらどうなるか。あまり変わらないだろうというのが結論。

2011年7月3日
専門家の功罪

 世の中に専門家と呼ばれる人たちは多い。専門家は専門知識のある人をいうが、的確な判断をするには専門知識が必要だが、専門知識があれば的確な判断ができるわけではない。
 多くの人があやふやな知識に基づいていい加減な意見を述べる。マスコミも、だいたいにおいてあやふやな知識に基づいて報道をする。多くの国民は、もともとよく知らないことについて、マスコミのあやふやな報道に基づいて判断をするので、いっそう混迷を深める。重大な事件が起きれば、世の中のすべての人が評論家になる。
 他方で専門家と呼ばれる人たちも専門知識はあるが、判断にあるとあやふやである。
 法律家は法律の知識はあるが、的確な判断ができるとは限らない。
 大学教授も専門知識があるだけで、判断になると当てにならない。日本のようにこれだけ大学が濫立すれば、大学教授も、大学の格差と同じく、ピンからキリまで様々である。
 福島の原発事故についても、日本の原子力の専門家の能力が低いわけでなく、専門家であってもあのとおりなのである。専門家とはそういうものであり、それを前提に原発を認めるかどうかを国民が判断しなければならない。国民が、「そんな難しいこと、わかりません」と言ってしまうと、それは、専門家が「原発事故がいつ終結するかわかりません」というのと同じ議論になってしまう。他人に任せるだけではすまない問題がある。