FISワールドカップジャンプ 札幌大会第2日目(2000.1.23)

   大会2日目はK点横2・30m辺りの位置での観戦をした。天気は曇りで時々雪がちらついていた。

   この日の試合はトライアルラウンドが予選となった。(74人→50人)
   確か20人目の選手が飛んだ後で一時中断となる。この時は天候が悪いわけではなかった。
   「これまでのジャンプの記録処理の為しばらくお待ち下さい。」と言うようなアナウンスが流れる。
   電光掲示板の表示がおかしくなっている。どうなっちゃったんだ?競技再開までテストジャンパーの
   みなさんが飛んでいた。
   競技再開のアナウンスが入ったと思ったら、この回のジャンプは試技でこの後予選ラウンドを行い、
   その次に本戦の1本目を行う。とのことだった。
   「えっ、それじゃ試合終わるの相当遅くなるのね…。何だかなぁ…。ま、仕方ないか。」
   試技ではそんなに大きなジャンプが出なかった。少し物足りなかった。
   74人全員の試技を終え、次が予選ね。と思ったら、次のアナウンスでは「11時から1本目の
   競技を開始します。」とのことだった。予選ラウンドはなしで1本目は74人で飛ぶことになった。
   と言う事は1本目で74人→30人、つまり1本目の結果が良くなかった44人が2本目に進めない。
   というかなり厳しい戦いとなった。
   アナウンス通り、1本目の競技が開始された。前半の選手は100m前後のジャンプが続く。
   後半になって、K点越えジャンプもパラパラ出る。後半にいい向かい風が吹き出したことも理由の
   一つだと思った。1本目の途中まで斎藤さん・西下くんの2人が電光掲示板の上位に2つ表示
   されていた。JPN・JPNと。気分よかった〜。ヘヘン、どんなもんだい!!
   1本目の順位は下の通り。

   1位:シュミットさん  2位:アホネンさん  3位:ビドヘルツェルさん
    9位:斎藤さん  10位:西下くん  16位:原田さん  18位:船木さん 
    26位宮平さん  27位葛西さん
   (35位:岡部さん,36位:吉岡さん,47位:東 輝さん,47位:岸本さん,49位:柴田さん
    54位:森 崇くん,57位:笠間さん,59位:佐藤さん,61位:鶴巻さん,62位:安崎さん,
    68位:西方さん,71位:仲村(和)さんは2本目に進めず)

   2本目の競技が始まる。1本目の途中から吹き始めた向かい風はいっこうにやまない。
   K点越えジャンプが続出した。この風は強すぎるのでは…。
   1本目 19位のウアマン選手のジャンプはK点付近でもかなり高い位置を飛んでいた。
   風にあおられて、本人も動揺が見られた。140m近く飛んだけど、あれはどう見ても
   風の影響だとわかった。そこでジュリー会議が行われ、2本目のそれまでの競技は
   キャンセルとなる。ウアマン選手の次の選手から2本目の競技を行う事になった。
   まぁ、確かにあのまま続けたら、後半の選手はジュリーディスタンスをはるかに越える
   ジャンプが出て、危険であることはわかった。
   少し時間をおいて、2本目の競技再開。それでもまだ向かい風が吹いていた。多少は
   弱まっていたけど。
   競技再開後もK点越えジャンプが多々出ていた。でも、この風ならまだ大丈夫かな。と思えた。
   斎藤選手の順番。とてもキレイな飛型でグーンと伸び、138mの大ジャンプだった。観客は
   みんな本当に喜んでいた。この時点でダントツトップ。優勝もイケる!と思った。しかし、この後
   またアナウンスが入る。
   「只今ジュリー会議を行った結果、2本目のジャンプ、再度キャンセルします。」
   とのことだった。これにはみんなボー然としてしまった。ひいき目入ってるかもしれないけど、
   ウアマン選手の時は完全に風にあおられたのがハッキリわかったんだけど、斎藤さんの
   ジャンプは多少風の影響があったかもしれないけど、飛型も着地も普段と変わらぬジャンプで
   斎藤さんの実力が発揮された本当にいいジャンプだった。あれがキャンセルになるのは、
   ちょっと納得がいかなかった。斎藤さんも観客もかなり悔しい思いをしたと思う。もちろん私も。

   そして、1本目の上位8人の選手から2本目の競技開始となった。
   だいぶ風がやんだけど、やっぱりまだ向かい風が吹いていた。シュミット選手・ソイニネン選手は
   ともに130m超のジャンプでtotal270ポイント以上で飛びぬけて1・2位につけていた。
   あのジャンプを飛ばれた後に2本目のジャンプを飛ぶ選手も気の毒だな。逆転するには
   いったい何メートル飛べばいいんだ!?
   K点越えジャンプも何本か出たけど、やっぱりシュミット・ソイニネン両選手のポイントを超える事は
   出来なかった。最後の2人のジャンパーは西下くんと斎藤さん。西下くんは1本目よりは飛距離が
   伸びなかったものの、素晴らしいジャンプを見せてくれた。前日の試合といい、この日の試合といい、
   調子がいい。と言うのか、実力が上がっていると思った。
   先ほどの大ジャンプの後で斎藤さんはどんなジャンプをするのか。これでもし、(縁起の悪いこと
   考えちゃいけないんだけど…)失敗してしまったら、幻の2本目悔やまれるんだろうな。
   しかし、斎藤さんは強かった。127mの大ジャンプを飛んだ!!これを真横で見ていて、思わず
   飛び上がって喜び、涙してしまった。電光掲示板の3位の位置に斎藤さんの名前が並んだ。これを
   見て、また涙が…。嬉しい。
   この表彰台は斎藤さんは2年ぶりくらいの表彰台だった。試技から4本、大ジャンプを飛びつづけ、
   斎藤さんの復活をアピールする試合となった。表彰式での斎藤さんの笑顔、本当にステキでした。
   これをきっかけに表彰台の斎藤さんを幾度も見られるよう祈りたい。(きっと、そうなるさ!!)
   最終成績は下の通り。

   1位:シュミットさん 2位:ソイニネンさん 3位:斎藤さん

   8位:西下くん(前日に続いてのシングル。お見事!!) 17位:船木さん 18位:原田さん
   25位:宮平さん 29位:葛西さん

   斎藤さん,西下くん以外の選手の成績はんー、私以上に本人達は実力を発揮できなかった
   ことに悔しい思いをしていると思う。だって、もっと上にいるべき選手達だと思うから…。

   この日の試合はテストジャンパーのみなさんには本当に忙しい試合だった。
   記録、名前が残ることはないんだけど、テストジャンパーのみなさんのおかげで
   試合も無事に進行したのだと言っても過言じゃないと思う。本当にお疲れ様でした。
   W杯本戦で活躍する日を待ってます!!

   これにて1999-2000W杯JUMP札幌大会のレポ終了。
   最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



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