FISワールドカップ ノルディックトーナメント in Lahti 大会第2日目(2000.3.4)

   スキージャンプNH(K=90)
   ノルディック複合スプリント(K=116)
   スキージャンプLH(K=116)団体戦

スキージャンプNH(K=90)
                                                  NEXT
  前日ナイターで行なわれる予定だった、ジャンプNHの試合は強風の為、中止となり、大会第2日目の
  午前に日程変更して行なわれることになった。(ちょうどこの日の午前中はジャンプ台での試合・練習は
  何も組まれていなかったので)
  朝9:00から試技が開始されると聞いていたので、前日と同様、駅からタクシーで会場に行きました。
  相変わらず風はよく吹いていましたが、時々青空も見えるいい日になりました。
  この日はランディンバーンの横で観戦。振り返ると本当に多くの観客がいました。
  1本目を終え、原田さんはアホネンと同ポイントで首位につけた。これはイケる!!ひょっとしたら
  目の前で表彰式の原田さんが見られるかもしれない。と期待に胸を膨らませていました。

   1本目の結果(敬称略)
    1位 原田雅彦 ヤンネ・アホネン 119.0ポイント 
    3位 ラッセ・オッテセン 118.0
    6位 宮平秀治 108.0
   13位 岡部孝信 105.0
   15位 葛西紀明 102.0
   32位 船木和喜  92.5
   36位 西下和記  89.5  この結果、船木さんと西下くんは2本目に進めず

  2本目、ビドヘルツェルのビッグジャンプが出た。1本目あのビドヘルツェルにしてはちょっと調子悪いなぁ。
  と思っていたけど、2本目にはあのジャンプ。常に上位を占めている理由がなくとなくわかった気がする。
  日本選手では葛西さんがいいジャンプを飛んでいました。
  2本目も原田さん・アホネンを残すのみとなり、その時点で1位ハンナバルト 2位オッテセンとつけていた。
  先にアホネンが飛ぶことになっていた。ファンの声援も期待もすごく大きくて、私も会場の雰囲気に飲まれ、
  一緒にアホネン選手の応援をしていました。「ヤンネ、ヤンネ!!」
その結果、この日の最長不倒となる
  98.5mをマークして、1位につけた。
  これで最終ジャンパーの原田さんにかなりプレッシャーを与えたのではないでしょうか。
  原田さんの番になりGoサインが出てスタート。飛距離は85.5m。決して悪いジャンプではなかったけど
  優勝するには至りませんでした。結局原田さんは10位に終わりました。
  ジャンプ後とても悲しそうな原田さんはTVカメラら向かって、指を涙に見たて、人差し指で頬を点々と
  つついていました。ゴルディーともう1人(ちょっと確認できませんでした)が原田さんの肩をたたいて、
  「時にはこんなこともあるよ。元気出して。」と言うような感じで原田さんを慰めていて、原田さんも
  肩を落としながらもうんうん。と、うなづいてるシーンが印象的でした。
  優勝したアホネン選手は今季初優勝を地元であげることが出来て、本当に嬉しかったのではないかな。
  あの、アホネン選手がずっと笑顔でしたよ。(←失礼かしら。だっていつもクールなんだもん。)

   ジャンプNHの結果
    1位 ヤンネ・アホネン 254.5ポイント
    2位 スベン・ハンナバルト 241.5
    3位 ラッセ・オッテセン 238.5
    8位 葛西紀明 227.0
   10位 原田雅彦 222.0
   11位 岡部孝信 221.5
   21位 宮平秀治 210.0
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ノルディック複合スプリント(K=116)
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  13:30から複合のスプリントのジャンプの試技が始まるので、ジャンプのNHの試合後、観客が一時的に
  減った時に公式練習の時と同じく、ランディングバーンの真正面に観戦場所を移動して、応援旗と横断幕を
  フェンスに括り付け、ボーッと待っていた。
  余談ですが、その時なんともラッキーなことに、インタビュー等終えたジャンプNHの勝者のアホネン選手が
  リフトに乗って控え室に戻るため、私のいる裏を通っていった。こんなチャンスはめったにない。と思って、
  メダルをかけたままのアホネン選手に写真を撮らせてもらうことにした。一言言って1枚写真を撮らせて
  もらって、「Thank you!!」そのあと一呼吸おいて、「Congratulation!!」と言ったら「Thank you」と言って
  いつもの険しい表情ではなく、とても優しい感じの対応のアホネン選手でした。
  13:30近くなって、観客がまたどっと増えた。試技が始まる。彦さん・高沢さん・大斗くんは飛距離も伸びて
  とても調子良さそうでした。健司さんも好調そう。森さん・小林くんはあの2人にしてはちょっと不調かな?
  というジャンプでした。ステヒャー・ラユネン・ビークはこの時も好調そうでした。
  この日も私達の前にいるTVカメラマンは前日お話したおっちゃんで、空き時間にちょっと挨拶しておきました。

  スプリントの試合なので、ジャンプは1本勝負。見ているこっちにも緊張感がありました。
  まずは小林くん。少し短いかなぁ。高沢さん。まずまずのジャンプ。そして彦さん。試技より少し短い。本人は
  そのジャンプに納得いかない。と言う表情をされていました。ふと気がつくとTVカメラがこっちを向いている。
  あっ、また映っちゃったよ〜。どうしよ。でも、いいか。映っておけ〜!!(半ばなげやりだったかも…。)
  彦さんが少し元気なさそうだったので、声をかけられなかったのですが、せっかくここまで来たのだから…。
  と思って、リフトに乗る前に「彦さーん、頑張って〜!!」と声をかけたら、気がついてくれたようです。エヘッ。
  大斗くんは好調を維持して、試合でもいいジャンプが出ました。森さんもまずまずのジャンプだけど本人は
  不満そうな表情でした。健司さんもまずまずのジャンプ。ファンの声援に答え、大きく手を振ってくれました。

   前半ジャンプ順位(敬称略) 後半距離タイム差
    1位 マリオ・シュテヒャー  0:00
    2位 カイタイネン      0:05
    3位 高橋 大斗       0:09
    9位 荻原 健司       0:35
   13位 高沢 公治       0:42
   14位 森  敏         0:47
   17位 富井 彦        0:51
   42位 小林 載仁       1:53


  これまた余談ですが、この日は私と同様、応援旗を持ったグループがいました。そこには「JARI MANTILA 
  FUN CULB」という文字が入っていて、持っているのは数人の兄ちゃんのグループでした。
  マンティラの順番になると、黄色い声援ではなく、とても力強い太い声援を送っていましたよ。

  彼等もやっぱり目立ってました。
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  後半距離はメインスタンドのコース脇(ジャンプ台を背にして)に移動して見ることにした。
  コースの横なんだけど、コースより1mくらい低い位置での観戦で、選手の足元から応援する感じ。
  ここでも狭いスペースに彦さんの応援旗(クロカンバージョン)をコース横の草木に乗せてみました。
  試合前、選手が試走していました。コースを走っている日本選手には前を通る時、声援を送る。
  彦さんも試走している姿が見えて、ちょうど私の立っている位置から50mくらい前を通った時、どこかから
  「とみい〜!!」という、どう聞いても日本人男性の声だと思われる、とても大きな声援がかかっていました。
  その時、彦さんは振り返って、コースの上にかけられたちょっとした橋の上に立っている男性に笑顔で
  答えていました。よく見たら、その男性はジャンプ選手の原田さんでした。原田さんと彦さんとは同じ雪印の
  スキー部ですから、原田さんも思わず声をかけてみたくなったんでしょうね。それにしても大きな声だった…。
  私もコース横で声をかけさせていただきました。
  試合が始まる2・3分前なのに、スタート地点に移動していない選手もパラパラいて、走りまわって
  移動している姿は見ているこちらも心臓に悪かった。ドキドキ。
  いよいよトップのマリオ・ステヒャー選手がスタート。5秒後にカイタイネン選手。続いて9秒後に大斗くん。
  その後も続々と選手がスタートして私の前を通過して行きました。なんだか面白い試合が見られそう。
  35秒後、健司さん。42秒後、高沢さん。47秒後、森さん。52秒後、彦さん。この辺は選手が団子状態で
  よく見ていないと、いろんな選手を見逃しそう。でも、目を凝らして、声援を送り続けました。少し間を置いて
  小林くんのスタート。札幌に続き、W杯2戦目、頑張れ、小林くん。
  3位スタートの大斗くんは1周目頑張って、まわりのペースに合わせて行ったのですが、それがオーバー
  ペースとなってしまった為、3周目はかなりつらそうでした。健司さんが9位から8位に順位を上げて快調な
  走りをしてしました。健司さんの走りが見られるのはこれが最後なのかなぁ?(それはイヤだ〜!!)
  森さん・彦さん・高沢さん・小林くんは少し順位を落としながらではありましたが、頑張って戦っていました。
  この試合、優勝争いがとても激しくて、戻ってくる度にトップが変わっていて、本当に面白い試合でした。
  優勝したハンヌ・マンニネン選手は11番スタート(ビブは12。38秒遅れでスタート)でしたが、1周目コースから
  戻ってきた時、すでに先頭集団についていました。最終周も全然疲れが見えない走りでどこかで
  スパートをかけて、後続との差を3・40mくらいつけてゴールしてました。14位スタートのハマーもこれまた
  力強かったです。3周目入った時には先頭集団が4人くらいに絞られ(ビーク,ハマー,ラユネン,マンニネン)
  4人の駆け引きの様子がメイン会場の巨大スクリーンに映し出されていたのですが、ドキドキしながら
  見ていて、どうなってメインスタンドに帰って来るのか本当に楽しみでした。
  スプリントの試合はあのスピード感と短い距離での駆け引きがたまりませんね。ジャンプも1本勝負だし。
  日本選手の応援が現場で出来たことも幸せだったし、試合自体もすごく面白い試合だったので、あの場に
  いられて良かった。と改めて思うのでした。

    後半順位
   1位 ハンヌ・マンニネン
   2位 ビャルテンエンゲン・ビーク
   3位 クリスチャン・ハマー
   4位 サンパ・ラユネン
   8位 荻原 健司
  19位 森  敏
  27位 富井 彦
  42位 高橋 大斗
  45位 小林 載仁

  選手のみなさん、本当にお疲れ様でした。
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スキージャンプLH(K=116)団体戦

  18:00からジャンプの団体戦が行なわれた。
  複合のスプリントの試合が終わって間もなく、団体戦の試技が始まっていた。私は試技の間はまだ
  クロカンのコース横にいましたが…。
  今回団体戦のメンバーは船木さん・宮平さん・葛西さん・原田さんの4人。
  この試合で初めて、ラハティの台のK点横の位置で試合を観戦した。よく考えたらナイターの試合観戦は
  ラハティに限らず、私は初観戦だった。昼の試合とは違った感じでなんだか神秘的というか、幻想的と
  いうのか。初体験にちょっと感動していた。
  やっぱりK点横での観戦は下で見るより着地ポイントがわかりやすいし、飛型もわかりやすい。
  この試合は1人1人の成績はよく覚えていないんですよね。その場の雰囲気に酔っていました。
  フィンランド勢は地元の声援をいっぱい受けていたこともあって、みんないいジャンプしていました。
  日本選手もまずまずのジャンプでした。1本目、船木さん・宮平さんはK点付近のジャンプで葛西さんは
  絶好調でした。確か、121mくらい飛んでいた。原田さんは少し短めだったかな…。
  1本目を終え、日本チームは3位でした。この調子で2本目も頑張れ!!
  この日の冷え込みは結構厳しくて、足も手も指先がしびれるようでつらかったです。横で湯気をたてて
  温かそうな飲み物を持っている方がいたのですが、風向きが変わって、その飲み物の香りがフワッと
  してきました。どうやら、ウィスキーのお湯割りだったらしいです。うわ〜。飲みたい!!1杯ちょうだい。
  と言い出しそうな自分を頑張ってセーブしました。
  2本目、2番手のジャンパーが数人飛んだ後から急に雪が激しく降り出した。その後の選手はアプローチに
  雪が溜まってしまって、スキーが滑らないのかわからないが、全然飛距離が伸びなかった。日本の
  宮平さんの時も激しく雪が降ったまま。83mに終わってしまった。でも、その前後の選手はすべて飛距離が
  伸びず、とても気の毒だった。2番手最初の方に飛んだ選手とは条件が違いすぎなんじゃないかな?
  2番手は最初からやりなおし?と思ったのですが、そのまま続行された。なんだか悔しい。
  3番手の葛西さんは2本目も好調で124mのすばらしいジャンプを披露してくれた。翌日のLH個人戦も
  期待出来そう。いいぞ〜、のりぴー。
  4番手、原田さんはう〜ん、伸び悩んでました…。フィンランドのアホネン選手は相変わらず絶好調。
  結局日本チームは5位で団体戦を終えました。寒い、激しい雪の中、本当にお疲れ様でした。

  私は表彰式を待たずして、あまりの寒さに耐えられず、早々知人との集合場所の建物の中に移動して
  椅子に座って待っていました。そしたら、突然消灯。「エッ、もう閉めちゃうの?」と思って荷物を持って外に
  移動しようと思ったら、外が異様に明るくなった。「あっ、花火!!」結局建物の中のガラス横で冬の夜空に
  キレイに咲く花火を見ることにしました。まさか、フィンランドの冬の夜空に花火があがるなんて、夢にも
  思っていなかったので、感動してしまいました。この時は雪もやんでいて、空気も澄んでいたので
  本当にキレイでした。
  観戦もあと1日。明日も頑張るゾ。
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   2000/3/5 ノルディックトーナメント in Lahti 大会第3日目
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