XYZ
このカクテルが出てきたら長居は無用!
ラムといえは、今でこそ世界中で愛飲され、しかもカクテルづくりになくてはならない酒として有名だが、そのラムにも不遇の時代があったことを知っていますか?
ラムはもともとキューバやジャマイカあたりで飲まれていた、サトウキビを原料とするお酒で、これを愛飲していたのが、イギリスの海賊たちです。カリブ海で暴れ回っていた海賊たちは、げんちの島で入手できるこのラムを飲む以外にはなかったわけです。
ところが、そのラムが、1970年代に入って、アメリカで大ヒット。とくにカクテルベースとして重宝されたのです。ラムベースのカクテルといえば、日本でも「バカルディ」、「ダイリキ」などは有名ですが、いろいろ種類のある中で一風変わった名前のカクテルがあることをご存じでしょうか?
実はこのカクテル、バーテンダーが長っ尻の客に出すカクテルとも言われています。その名も「XYZ」。すなわち「もう、おしまい。あとがない」ってわけです。(笑)
もし、酒場で時を忘れて飲んだくれているとき、頼みもしないのにこのカクテルがでてきたら、そろそろ重い腰を上げた方がスマートというものです。
え?「XYZ」がどんなカクテルだからわからなければ察しようもないので、そのレシピをご紹介いたしましょう!
味はオレンジとレモンがミックスされた感じです。それでもわかなけらば、勇気を出してバーテンダーに聴いてみましょう。くれぐれも「う〜ん、これはウマイ。もう一杯!」なんて野暮なことは言わないようにね。
ブラッディー・マリー
「ブラッディー・マリー」はなぜ、”血まみれ”なのか?
ウオッカをトマトジュースで割った真っ赤なカクテルが「ブラッディー・マリー」。ブラッディーには、”血まみれ”という意味があるので、カクテルの見た目からこの名前がついたのだが、では、マリーってだれでしょう。?
一説によると、十六世紀のイギリスの女王、メアリー一世のことらしいんです。この女王は新教徒を惨殺したことで知られており、”血まみれマリー”という、ありがたくないあだ名がついてしまったというわけです。
もう一つ説があって、このカクテルを思いついた男性のところに、マリーといる友人が現れ、早速新作のカクテルを一緒に飲んだ。ところが、そのマリーがカクテルをこぼしてしまい、洋服が真っ赤っか!そこで「オー、ブラッディー・マリー!」と叫び、カクテルの名前になったと言うわけです。
ちなみに、「バージン・マリー」(聖母マリー)というのもあって、これはブラッディー・マリーのウォッカ抜きのこと。つまりただのトマトジュースってことですね。(笑)
お酒が飲めないのに、バーなんぞに行く羽目になってしまったら、「バージン・マリー」とカッコつけてみるのも如何ですか?
ソルティー・ドッグ
ソルティー・ドッグの塩がなくなったら、どんな犬?
カクテル用語で言うところの「スノー・スタイル」というのは、グラスの縁に塩がぐるりとつけること。もちろんそれが雪みたいだから、こんなシャレた名前が着いたわけですが、では、スノー・スタイルの代表的なカクテルといったら、やはり、「ソルティー・ドック」でしょう。
ウォッカとグレープフルーツジュースの酸味と、グラスの縁の塩味が絶妙のハーモニーを奏でる有名なカクテルですね。
カフェバーなどがはやったとき、お洒落な飲み物として日本でもずいぶんと人気がありましたね。
もとは、ジンベースだったんですが、アメリカに渡ってウォッカ・ベースとなり、味がいっそうさわやかになって大ヒットしたという経歴があるんです。
さて、このソルティー・ドッグ、グラスの縁の塩がなくなってしまったら、どうなるのでしょう。?
こちらは、「ブルドッグ」「テールレス・ドッグ」などと呼ばれている。血圧を気にして塩分控えめ、なんて人にはお勧めですね。
ちなみに、なんで、「ソルティー・ドッグ(しょっぱい犬)」なんていう名前が着いたかというと、これはイギリスで船の甲板員をさすスラング。彼らはいつも波しぶきを浴びて体が塩ぽいからこう呼ばれていたのだが、それがこのしょっぱいカクテルの名前になったわけです。
ニコラシカ
飲むのに困る、口の中で作るカクテル「ニコラシカ」
いつものバーに腰を落ち着けながら、「いつものやつ・・・・」ではつならないでしょ。今宵は、今まで注文したこのないカクテルに挑戦してみては如何ですか?
こんな気持ちになることは誰しもあると思いますが、それで出てきたカクテルがどう飲んでいいのかさっぱりわからない代物だったら、困りものですよね。(笑)
その代表選出とも言えるのが、「ニコラシカ」です。名前からするとロシア風ですが、生まれたのはドイツのハンブルグ。中身はブランデーだからフランス産で。なぜか日本で飲まれているとうカクテルです。(^-^;;;
ところが変わっているのはそのスタイルで、口の小さいリキュールグラスにブランデーが入っていて、なんとグラスの上に輪切りがフタをするような形で乗っている。
さらに、そのレモンスライスの上に砂糖が小山のように固まって盛られているんです。さあ、困ったといってレモンをどうかしてしまうと、中身はタダのブランデー。これではカクテルの意味がない。
正しい飲み方は、口の中でつくるカクテルなのです。まず、レモンの輪切りを取ってさとうを包み込むように二つ折りにして口の中に含み甘酸っぱさ広がったところでブランデーを流し込むのです。
さて、そのあとはレモンを口から出して、また飲むときに入れるか、それとも入れっぱなしにしておくか(連れがいても話ができない)、定かではない。(爆)。
私が思うに、ブランデーを一気に飲むしかカッコよく決める方法はなさそうですね。(^-^;;;
マティーニ
究極のマティーニを突き詰めるとただのジン?
「カクテルの王様」といえば、「マティーニ」。「カクテルの女王様」といえば「マンハッタン」。ほんのり甘みのあるマンハッタンが女性に似合うカクテルだとしたら、マティーニは男性向き。しかも大人の男にぴったり似合うカクテルでしょうね。
なぜなら、マティーニはドライな辛口が身上で、ジンをベッルモットで割って作るのですが、ベルモットの量が少なければ少ないほど辛口で、しかも辛口であるほどいいとされているのです。
ですから、マティーニをいかにドライで飲むかということを突き詰めた男達がいたんですよ。
その方法も半端じゃなく、ベルモットの量を減らすだけではあきたらず、ベルモットの瓶を見ながらジンを飲んだとか、ひとに耳元で「ベルモット」をささやいてもらって、ジンを飲んだとか言われています。(笑)
う〜〜ん。これでは、マティーニではなくて、だたのジンではないかと思ってしまいますが、これぞ、究極のドライ・マティーニと言うことなのでしょうかね。(^-^;;;
ギムレット
ギムレットとジンライムは実は兄弟だった!?
「ギムレット」というカクテルは、ジンとライムジュースをシェークした薄緑色のさわやかなお酒です。イギリスで生まれた当初は、どちらかというと甘めだったようですが、今ではドライな味に仕上がって、男のカクテルといった感がありますね。
さて、ジンとライムの組み合わせというと思い出すものはありませんか?そう。日本で人気の高い「ジンライム」。この組み合わせと同じなのです。
ジンライムがギムレットと違うのは、シェークしないで、ステアで作ること。ですから、グラスもカクテルグラスではなくて、ウイスキーを飲むような口が広くて背が低いグラスに入れて出すんです。
では、この二つの関係はというとですね。ジンライムは、ギムレットの簡略版なのです。シェークしない分、簡単に作れるということで、二十世紀のはじめイギリスで大流行したものが、日本に定着してしまい、本式であるギムレットの方があまり知られていないのですよ。
味は、ギムレットの方が繊細。それにカクテルグラスというのもお洒落ですね。