ウイスキー・その1
      みなさんは「ウイスキー」がどうやってできるか知っていますか?
    原料
     ウイスキーは、大麦と水から作ります。大麦は、農家の人たちが作りますが、外国から輸入しています。ウイスキーには、二条大麦(にじょうおおむぎ)という澱粉質の多い大麦が使われます。また、おいしいウイスキーは、よい水がないと作れません。
     ウイスキーづくりは、大麦を「麦芽(ばくが)」にすることから始めます。大麦を水につけて発芽させ、熱で乾燥させ、成長をとめます。この時、熱により香ばしい香りがつきます。こうしてできたものが、麦芽です。
    仕込み
     できた麦芽を粉にして、お湯を加えると麦芽の中の澱粉質が糖分に変わり、ウイスキーのもとになる「麦汁(ばくじゅう)」ができます。これを仕込みといいます。
    発酵
     仕込みが終わると、次は「発酵」です。「酵母」という微生物の働きで、麦汁の糖分は、少しずつアルコールと炭酸ガスと、さまざまな香りや味わい(フレーバーと言います)に変わります。また、何百もの香りと味の成分が酵母によって作られます。こうしてできるのが「もろみ」です。
    蒸留
     できあがったもろみを、ポットスチルという銅の釜に入れて、熱を加え、2回の蒸留をします。この間にアルコール度数と濃度が高まり、とても香りのより、透明な液体が生まれます。これを「ニューポット」と呼びます。
    樽造り・貯蔵
     ニューポットは、ウイスキーの赤ちゃんです。大人になるために、長い時間を樽のなかで過ごします。ですから、樽はとても大切な役目をするのです。この樽は、北アメリカでとれるホワイトオークという樫の木から、一つ一つ丁寧に造られます。ウイスキーの赤ちゃんを入れるので、「ウイスキーのゆりかご」と呼んでいます。樽に入ったウイスキーは、貯蔵庫でゆっくり眠ります。眠っている内に、少しずつ「琥珀色」になって、香りがよく、まろやかな味をもったおいしいウイスキーになるのです。160万もの樽に眠るウイスキーが大人になるのを待っています。
    (参考:サントリー白州工場資料)



      ホワイト・ホース
      「ホワイト・ホース」を飲むなら白馬館で?
    まだ、駅馬車が活躍していた十五世紀頃、スコットランド・エジンバラのキャノンゲートにあった旅館に、こんな看板が出ていました。
    「エジンバラからロンドンへおいでの方、またはこの街道のどこかえおいでの方は、どうかエジンバラのホワイト・ホースの酒蔵で元気を回復なさいませ。」
    ホワイト・ホース、日本風にいえば白馬館という旅館は、ロンドン行きの駅馬車の出発点であり、出かける時の拠点にしたり、出発まで時間をつぶすのにぴったりの宿だったのです。
    雰囲気もいい旅館だったのでしょう。当時の有名な詩人や俳優が、よく立ち寄り、いい宿として広く知られるようになった。
    高級スコッチ、ホワイト・ホースの名は、この旅館からとられた名前なのです。スコットランドを代表する酒に、スコットランドを代表する旅館の名を、と考えられたようです。




      ブラック&ホワイト
      “ブラック&ホワイト”の人気の裏にネーミングの技あり
    商品のネーミングといるのは、作り手側が頭を悩ませることのひとつ。というのも、どんなにできのいい商品であっても、ネーミングいかんによってはあまり人気が出なかったり、逆にそこそこの出来であるにも関わらず、名前がうけてその商品が大ヒットしてしまうことがあるからです。そんなネーミングの重要さをうまく利用した人が、昔もしたんですよ。
    その一人が、ジェームス・ブナキャンといって「ブラック&ホワイト」という有名なスコッチウイスキーを作った人です。実はブラック&ホワイトは発売当時、「ザ・ブキャナンズ・ブレンド」という冴えない名前だったんです。
    しかし、ウイスキー自体のできはよかったし、なによりもブキャナンがアイデアマンで、酒屋以外の色々なところにこの酒を置いたので、人気は合った。ところが、それに満足しないブキャナン、このウイスキーの瓶が真っ黒で白いラベルがついていたことから、酒飲みの間で、「ブラック&ホワイト」と呼ばれていたことに目を付け、あっさり名前を変えてしまったのです。
    スコッチといえば伝統を重んじることで有名で、一度つけたブランド名を変更するなんてとんでもないことだったんです。でも、ブキャナンのこの大英断によって、ブラック&ホワイトは世界のスコッチのBig5にのしあがったのである。
    今では、ラベルに黒と白の犬が並んで描かれていて、日本でもすっかりおなじみのお酒ですね。
    確かに「ザ・ブキャナンズ・ブレンド」なんていう名前だったら、英語に弱い日本人のこと、なかなか覚えられなくてこなに人気が出なかったかも知れませんね。



      フォア・ローゼス
      “フォア・ローゼス”に秘められた究極のラブストリー
    1800年代、ケンタッキー州のポール・ジョーンズ父子が作りだしたバーボン「フォア・ローゼス」には、その名の通り、とてもロマンチックな話が伝わっていることをご存じですか?
    ウイスキー職人のジョーンズ息子は、かねてから愛していた女性の思いをうち明け、結婚を申し込みました。
    このプロポーズへの答えは、「お返事は、この次の舞踏会の夜にいたします”Yes”の時には、ドレスの胸に四輪の赤いバラをつけていきますわ。」と言うもだったんです。
    当日、ハラハラしながら待つジョーンズの前に現れた女性の胸には、約束のバラが美しく輝いていました。
    晴れて、二人が式を挙げた数年後、とびきりうまいウイスキーができあがった。彼は、あの舞踏会の日を記念して、このお酒に「フォア。ローゼス」という名前を付けたというわけです。



      オン・ザロック
      “笑っている氷”を使うオン・ザ・ロックの美学
    オン・ザ・ロックといったら、お酒に氷を入れて飲む方法ですよね。でも、酒と氷、どちらを最初にグラスに入れるのが正式だか知っていますか?
    答えは読んで字のごとく。氷が先で酒があと。なぜなら、氷をロック(岩)に見立てているわけですから、オン・ザ・ロック(岩の上)に酒を注がなければ間違えとなるでしょう(笑)。これが反対だったら、アンダー・ザ・ロックになってしまいますよ(笑)。
    次は氷ですが、オン・ザ・ロックに使う氷ですから、岩のような形のものがいいわけです。冷蔵庫で出来る四角い氷ではちょっと興ざめで、大きい氷をアイスピックで砕いてつくるのが本式です。実はこの氷、我々の「業界用語」では、割りたてで角が鋭いものを「氷が笑っている」、逆に角が丸くなったのもを「氷が泣いている」と呼ぶんですよ。もちろん笑っている方がいい氷で、泣いている方は割ってから時間が立っているので、ダメなんですね。やっぱり、氷はいかにもロック(岩)、というものであるべきでしょうね。



      水割り
    水割りと一言で言ってしまえば、ウイスキーを水で割る、ブランデーを水で割るってことですけど、
    ウイスキーの水割りにきちんとした作り方があることを知っていますか?
    私も、ウイスキーと、氷と水でステアーすればいいのかと思っていたら、実は違っていたんですよ。
    では、どう作るのかお話ししましょう。
        まず、グラスですが、これは、広口の普通のグラスであれば、問題ありません。
        1.グラスにウイスキーをつぐ。近頃、シングル、ダブル、ワンフィンガー、ツーフィンガーとか言いますよね。
          これはお酒の分量をしめしたものす。
          シングルは約30mlをダブルは約60ml。グラスのそこに指を横にしてあてると、その1本分が「シングル」、
          2本分が「ダブル」の量に相当します。アメリカなどでは、「シングル」のことを「ワンショット」というのが普通ですね。
        2.氷を入れる。ここで使用する氷は、ちょっと小さめのクラッシュアイスを使います。
        3.ステアーする。 ここで、ステアーの回数が決まっています。13回転半です。ウイスキー&グラスを冷やします。
        4.氷を入れる。 ここで使用する氷は大きめのロックアイスを使います。
        5.最後に水。ウイスキーの産地と同じ水があれば最高ですが、普通のミネラルウォーターでもかましません。
        6.最後のステアー!!ステアー数は3回転半
        併せて、17回転となります。なぜ、最初に13回転半かというと、ウイスキーの本家○ト○ーのブレンダー達によって
          おいしく飲むための水温、香りの研究によって最初に13回転半、3回転半が最適であると判断されたかららしいですよ。
    私も、だまされたと思いながら、取り入れたらこれがなかなか。それ以来ステアー回数は全部で17回転としています。(笑)
    ○ト○ーブレンダーが開発した水割りの作り方による、ウイスキーの水割り。どうぞ!



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