「俺の酒が飲めないのか」と酒瓶をもって詰め寄るシーンは、日本ではおなじみですね。
半ば冗談、半ば本気で、酒の席ではよく耳にしますよね。
日本には、昔から勧められた酒は飲まなければ行けない風潮があるようですね。
一気、一気とけしかけられて、急性アルコール中毒になっては元も子もないですね。あまりいい伝統とは
いえないのですがね。
日本人はお酒と同様に、その器にもこだわってきた。つがれたお酒を一気に飲まずにはいられない、
さされたお酒を断れない、そんな究極のちょこがあるんですよ。
焼酎用に、熊本県の人吉地方でつくられた、「ソラキュウ」という名のちょこです。
形は、おしりがとがっていて、いとじり部分が無く、こまの中身をくり抜いたようです。酒を注がれてから
下に置けば、ちょこが倒れて、中の酒がこぼれてしまうので、すぐに飲み干すしかないんです。
「そらっ」とつがれてキュウッと飲む。まことにわかりやすい命名ですね。