私たちはどこから来たのか、そしてどこへ向かうのか 新天地に向け、人類はいま旅立つ。果てしなく広大な宇宙。その片隅に、私たちは生きている。宇宙と生命、対極にあるように思える二つの世界が、 実は深いかかわりを持っていることが判ってきた。私たちはどこから来たのか?その謎を解くカギは、 宇宙にあるかもしれない。 NHKスペシャル 宇宙 未知への大紀行(全9回) 第1集 ふりそそぐ彗星が生命を育む 4月29日(日) 21:00〜21:50 太陽と水に恵まれた太陽第3惑星・地球。これまでは、この恵まれた環境が、カプセルのように生命を守り育ててきたと考えられてきた。 だが近年、その外に広がる『死の世界』・宇宙が、生命の興亡を左右してきたということがわかってきた。約6500万年前に恐竜を絶滅させたのも、 巨大な天体衝突だと言われている。 しかし、天体衝突は生命を脅かすだけでない。環境の激変が、さまざまな環境に対応する多種多様な進化を促したとされる。さらに、生命の源と なる有機物質自体も、宇宙から飛来する天体によって運ばれてきたのではないかというのだ。生命をつくっているアミノ酸の型が、隕石からより多く 検出されたことから、誕生当時、超高温の地球では、揮発してしまった有機物が、彗星に乗って原始地球の海に降り注ぎ、生命が生まれる元になった と考えられている。 誕生と絶滅を繰り返してきた私たち生命の営みと、広大な宇宙との深い結びつきを解き明かす。
壁に書かれた伝言から、ヒロシマの悲劇がよみがえるオ願ヒ オ知ラセ下サイ 8月6日(日) 21:00〜22:00 ヒロシマ・よみがえる55年目の伝言 『オ願ヒ 祐子 オ知ラセ下サイ 母』。原子爆弾が投下された直後の広島で、家族や知り合いにあてて小学校校舎の華美に記されたこのような 伝言が、55年の時を経て今、よみがえろうとしている。 広島市中心部にある袋町小学校は被爆時、かろうじて全壊を免れ、多くの負傷者が運び込まれた。離ればなれになった肉親達を捜す人々も学校を 訪れ、消息を求める伝言を校舎の壁に書き残した。その後の補修で、伝言は新しい壁の下に塗り込められてしまったが、今年から始まった調査で、 改めてその実態が明らかになった。 わずかな望みを託して、最後の力を振り絞って書かれた伝言から、ヒロシマの”あの日”を見つめ直そうとする人々の姿を追う。
人間が数千年に渡って受け継いできたのは何か? 四大文明に現代文明の原点をみる。NHKスペシャル 四大文明(全5回) NHK総合エジプト、メソポタミア、インダス、中国。大河のほとりに生まれた4つの古代文明は、 現代文明の原点といえる。人類は自然を受け入れ、または立ち向かうことで文明を育む一方、 つきあい方を誤れば滅亡に至った。相次ぐ新たな発見や調査によって明かされつつある文明興亡のドラマを、 徹底的な現地取材と最新CG技術で掘り起こします。 第1集 そしてピラミッドが造られた エジプト 7月9日(日) 21:00〜22:00 約5000年前に興ったエジプト王国。その最大の謎がピラミッドだ。長年信じられていた「奴隷が造った王の墓」という説が、今、 覆されようとしている。 きっかけは、10年前に発見されたワークマンズ・ビレッジという遺跡だ。大量に発掘された、ピラミッドを造った人々の遺骨からは、 外科手術や骨折治療の跡がみつかり、奴隷とは考えにくかった。さらに、一人の王が複数のピラミッドを建設するなど、「墓説」にも疑問 は多い。現在有力なのは、ナイル川が氾濫する4ヶ月間、農民達に仕事を与えるために行われた公共事業だという説だ。 監修に早稲田大学の吉村作治教授を迎え、ピラミッドをはじめとする古代エジプトの英知と、3000年にわたって繁栄した王国の真の 姿を明らかにする。 第2集 それは一粒の麦から始まった メソポタミア 7月16日(日) 21:00〜22:00 チグリス・ユーフラテス川上流の丘陵地域で麦の栽培をはじめた人類は、約7000年前、下流の平原に移動する。そこの肥沃な泥は、 それまでの何十倍もの収穫をもたらした。運河による灌漑が行われ、やがて都市が生まれる。くさび形文字や世界初の成文法などを生み出し 栄えるが、灌漑システムの破綻によって弱体化し、やがて滅亡へ道をたどる。 イラク各地に散らばる文明の遺産を訪ね、麦と泥との出合いから始まった世界最古の文明の実像を探る。 第3集 謎の民は海を渡った インダス 7月23日(日) 21:00〜22:00 現在のパキスタンとインドにまたがるインダス文明。モヘンジョ・ダロなど人類初の計画都市を生んだ文明は、今も謎に包まれている。 それを解くカギを握るのが、インド西部で発見されたドーラビーラ遺跡だ。アラビア海に近いこの遺跡はインダス川から離れているが、か つてはガッカルハルクという川の河口に位置し、メロポタミアとの交易の拠点だったと判った。 調査が進む遺跡の姿やペルシャ湾岸からの出土品を通し、海洋交易で栄えた謎の文明に迫る。 第4集 黄土が生んだ青銅の王国 中国 7月30日(日) 21:00〜22:00 中国では最近、青銅製の仮面が大量に出土した三星堆など、古代王国の遺跡が次々発見されている。共通して出土する高水準の青銅器は、 分析の結果、同じ産地の銅を使った可能性が高いことが判った。それらの国々の頂点に立ったのが、約3700年前に黄河流域に栄えた 殷(イン)王朝だ。周辺に広がる黄土高原の土からは、銅の加工に適した硬い鋳型ができ、耕すと豊かな実りをもたらす。殷で生まれた 青銅器が、中国全土に青銅の王国を生んだとする説が有力だ。 最新の研究で明かされた銅の流通経路や、青銅器の復元実験、黄河流域の環境変動などを手がかりに、始皇帝の統一に至るまでの古代中国 を描きだす。 第5集 地球文明からのメッセージ エピローグ 8月12日(日) 21:45〜22:35