原宿句会152回例会点盛り

東人
かたはらに連れある坂の梅見かな 箏○
寝嵩のみのこる末黒野芒かな
凋落のはじめの誤算清盛忌 和○
大物に迭はり小魚氷に上る
鶏鳴いて李鴻章道春隣

利孟
柵一つ無くて梅見の臨時駅 宗宮笹希○室○
出汁つけてやはきたこ焼清盛忌 箏宮白
末黒野の痩木そろそろ目覚めたる
足組みて取り出す煙草春の昼 宮◎白◎
シャンパンの細く引く泡魚は氷に

美穂子
直立の幾千の針滝凍つる
墨滲むやうに末黒の雨しづか 宗箏和利◎
氷に上る魚に揃ひの背の光 宗◎明○
擦り音で開く舞ひ扇清盛忌 宗○正
山峡の午後には昏き梅見茶屋 宗明笹○

白美
末黒野や尻尾短き猫憩ふ
蒼き光放ちて魚の氷に上る 宗武箏○
梅見へと手跡見慣れし誘ひ文 宗武和◎
清盛忌金泥あせぬ絵巻物 宗武利○室明
立春やX軸は時の軸

千恵子
梅見上ぐ女の喉の無防備に 宗○和武◎希
笹鳴きや螺鈿の剥げし硯箱 宗正◎
末黒野に早や白きもの立ちてをり 宗笹
氷に上る魚は桃色吐息して 宗○利
舳先打つ波ざはざはと清盛忌

希覯子
末黒野や土手に遺れる舫ひ石 宗和白明
退院や魚氷に上る頃を得て 宗笹◎
理学部の植物園の梅見かな
梅林に入るに齢を聞かれけり
清盛忌音戸ノ瀬戸の夕茜

武甲
瀬戸内の潮静まらず清盛忌 笹室◎
末黒野や山肌削る遠発破
春立つや海へと向かふ水の帯 宗明◎
瀬を早め魚氷に上る渡しかな
観梅や故事来歴を語る人

シャンパンの泡の溢れて春立ちぬ
由布岳の裾は末黒のすすきかな
魚の氷に上るや天下動き出す 宗◎希利宮◎白○
枝の上の猫に餌をやる梅見人
瀬戸の海春の日矢射し清盛忌

筝円
清盛忌女紋に伝はる揚羽蝶 希◎
下野は末黒ひとしほ雨を吸ふ 宗宮正
幼木も趣足りて梅見かな
幻の魚も混じりて氷にのぼる
白き杖春立つ道を探り来る

和博
魚は氷に上りて我は日溜まりに 宗白
まだ固き蕾のあまた梅見酒
凍蝶の翔つこともなく破れ垣 正○
海鳴りや風吹きすさぶ清盛忌
山遙か末黒のすすき濃かりけり

古川
一筆を入れしあたりの末黒かな 箏◎
闇明けて魚氷にのぼる川面かな
香を嗅ぎて後に目を寄す梅見かな
剪定や立ち居きりりと街並木

翠月
頬に袖あてて歩みの梅見かな
逞しき魚氷に上り得意顔
寒夕焼五時の鐘聞く鬼がわら
軽やかな舞ひに悦入る清盛忌
明るさのスタート末黒の芒かな