原宿句会1月例会点盛

利孟<16>
早梅や薄く日の透く鉋屑正穂○和◎白○
水餠で終へる一人の夜の鍋筝穂和千
足踏みをして寒垢離の時急かす白正
日を散らし影の飛び立つ白障子
どぶ川に群れ白妙の都鳥
和博<16>
障子明け放して綴る旅便り利○笹筝穂◎
寒行者裂帛の声発しけり利希○白天
深甕に水餠緩み残りけり利白
はふはふと揚げ饅頭や初詣利正
日溜りの蝋梅少女を招きけり
白美<13>
寒垢離の肋に張り付く衲衣かな利希◎
散歩にも見本のありて枇杷の花利筝○
早梅や眼鏡掛け替え読む便り
障子閉め作り笑顔の崩れだす
水餠の沈める日々やパスタ鍋
鮟鱇の骸も口を大開き 
希覯子<13>
梅早し宿の便りに亡妻の名も利◎和千○
寒行や齢を語らぬことも行利○穂
梅早し此処より電車地下に入る筝◎
寒行や嫁に智慧借ること多し
マンションに障子の間あり色紙掛く
千恵子<12>
下帯の白に気負ひの寒行者笹○和
結界のやうに障子の暮れ残る利○正
一撞きのあとに深呼吸(いき)除夜の鐘利○
磯伝ひ参る神社や冬の梅利○
母の耳ますます遠く今年かな
水餠や蓋するやうに薄きかび
美穂子<12>
寒垢離を了へて冷たき湯気放つ利○筝希
柚子湯して柚子の香りの血の流る利○
冬障子寄るも離るも淡き影
水餠や甕の水染む夕茜
早梅や折り目正しき箒跡
<9>
寒垢離や清き山河のこころ享く利千◎
賀茂川の光耀ふ障子かな利○
拉致に暮れイラクに明ける去年今年和○
温暖化進む地球や梅早し
水餠や浮かびて後の命かな
翠月<7>
髪に櫛通す窓辺の明けの春利○正◎
素朴さの遠き思ひ出餠沈む
白障子締めなくて好し締めて好し
早梅の自若の気品然もなしに
寒垢離や白褌の震えをり
筝円<7>
寒垢離や半眼にして陽を捉ふ笹◎希
早梅や埋めし井戸の息の穴笹千
障子開け三尺幅の陽を喫す
水餠や背筋伸ばすも矯正帯
除夜の鐘「イムジン河」を歌い継ぐ

もうひとこと

句会の時間短縮のため事前投句を4句として、
席題を1句のみ会場で清記というやり方をしてみました
事前投句にとなると、自分で書いて読んでの作業が余分に
加わりますから句柄が練れて良くなるように思います
大方の方がEメールで投句して下さるので、清記は
@Excelに移して、RAND()関数を各句に振って、並べ替えを繰り返して
A適当にばらけたところで一太郎に移して行数を合わせて縦書き印刷
手間知らずで清記ミスも無し、運びが早くなりました
これからもご協力の程よろしくねがいます

はふはふの擬音語は、ちょっと俗な感じがしませんか
折り目正しき箒跡は疑問有り
下帯の白に気負いとは???
散歩の見本て悩まされました
井戸の息の穴、井戸は神様のため埋めても息抜きを空けておくとか
宿の便り、ちょっと哀しいけどロマンチックでもある追憶
冷たき湯気、旨い表現だと思います
寒垢離の半眼、そんなゆったりとした余裕は無いと思うのです
去年今年で重大ニュースをやれば句になるというのは認めない
旅便り、点が入りました、ちょっと演歌ですけど分かりますよね
衲衣(のうえ)、水垢離の白装束もこれで良いらしいのです