原宿句会173回例会点盛り
希覯子
秋時雨窓一つなき美術館 和か宮笹◎ 明るい方がとの意見も、
茶の花や保健婦さんは話好き 利宮◎ 今や、看護師、保健師とするのが、差別を許さないためには
必要なのだろうが、差別うんぬんよりも、保健婦さん
でなければ、句が成立しないと利孟は思う
神迎へ銅板葺きの新社殿 社殿なる」はうるさい
乾鮭や吊されしまま削らるる
霧の夜や厨の明かり紐で消す
白美
乾鮭や徳利の底のよき温み 利○か○
膳運ぶ音賑はしき神迎へ 利宮○
笊に柿入れて戻すや峡の家 和○
声伝ふ宿の在かや霧の夜 和宮
茶の花や托鉢僧の戻る庵
千恵子
乾鮭の眼に残る湿りかな 希か◎和◎
消えながら犬ついてくる霧の道 利◎
神迎へ裏でチ矮鶏飼ふ神社かな 裏かね、放し飼いが普通でしょう、
封緘に猫のシールや秋惜しむ
喪の家の茶の花垣や昼の月
美穂子
茶の花や一服を謝す郵便夫 利笹白◎ 郵便夫なる呼称は今や問題無しとしないが、
都会にあってもかような風景あり(白)
酒振りて乾鮭に海呼び戻す 利○白
さきがけの風の鎮まり神迎ふ
歩き初む子の靴に鈴小六月
箏円
霧流れワイパー軋む音ばかり 利希か笹
巻き戻ししてみたき年神迎へ 希○
干し鮭の肩のちから抜けきらず
北窓を塞ぎても入る鶏の声
部活終え下校の道のお茶の花
和博
看護さることまた楽し蕪食ぶ 利白○
やうおかえり闇に声掛く神迎へ 笹○
茶の花や沼津小町の黄八丈
乾鮭や血液検査の日となりぬ
夕霧や車窓に滲む街明り
利孟
乾鮭や奥丸見えの武家屋敷 希◎
柞降る月山羽黒湯殿の碑 出羽三山のこと、確かに羽黒湯なんて風呂屋もありますが
竹皮に流す羊羹お茶の花
天かすに葱の素うどん神迎へ
霧の夜のにじみて影の失せし町
翠月
金髪の巫女の加はる神迎え 事実でしょうが、金髪か青い目だけで十分でしょう
街の灯を点しては消し霧流る
デパートに乾鮭を売る秋田弁 デパ地下は一応通じるが俳句としての用語として適切か?
灯台の白くそびゆやカンナ燃ゆ 白、緋と対照させてもいかがなものか
茶の花や姉の残せし赤襷