174回原宿句会点盛り
箏円
寒鮒の水の重さを着たるかな 利◎希◎正小和・◎ さまざまの水の重さがあるが、寒ぶなの水に閉じ込めら
れたかの様子がある
うろぬき菜隣も隣も寡婦の家 和◎ 面白いとは思うけど、ちょっと特殊な状況過ぎるとも
蕪酢郷愁といふ嗜好あり 利希・ 嗜好ありはなんとか解消しておきたい
鴛鴦やふたつの滴窓つたふ 鴛鴦だからって?
霧時雨母とひとつの傘にいる
一郎
鴛鴦もまどろむ午後の光かな 利○希○ 「も」はいかんです、のどやかな感じが良いです
耳に貝あてれば冬の海の音 利正◎ 耳に貝は予定調和的な感じだ
竿一本提げて寒鮒釣りと云う 小○ 何釣りに?寒鮒!というのはありだとおもうが、
ヘラをやるのはそうお手軽な格好ではなさそうなのですが
風花や境界のなき村の墓地 利小 村の作者その2登場ですか、私の中にはあんまり
村の共同墓地ってのがないんです
火を囲む団欒いずこ蕪酢漬 いずこ、っていうけど、ストーブでも良いのだし、
我が家は今年から火鉢を使い出しました
小春日や湯で菜を洗ふ湯治宿 利◎一◎ テレビによく出てくる風景ですが、いかにも温泉に
使っては食事の支度ってのんびり、のどかが伝わります
鴛鴦や他人にわからぬ夫婦仲 一○ 即きすぎだと思います
風花や東寺の市の仕舞ふ頃 利・ 東寺の骨董市は有名らしいね、仕舞う頃は甘いかも
寒鮒の味噌蒸に遇ふ湖北かな 特殊、湖北と場所を縛り、遇うというのはうるさいでしょ
海鳴りの酒亭につまむ蕪鮓 酒飲みの雰囲気としてはよろしい、だがつまみが入れ
替わってもいいですもんね、あぶった烏賊とか
美穂子
蕪ずし海鳴り遠き町に住み 利一・ 鰤、鯖などの塩蔵の魚が使われるというのが利いてる
寒鮒の夕陽映して釣られけり 利和 そんな遅くまで釣るかって話しもあるけどまあ、
そうだったんでしょ、きれいな光景じゃないですか
風花や結ひたての髪匂はせて 利希 日本髪ですかね、京都って場所を意識したわけですか
水尾に散る水面の鴛鴦の影の彩 思いに表現が追いついていない、言葉が多すぎでした
極月のギター滾らせフラメンコ 滾らせがちょっと、収まり悪い、極月のイメージの
モノクロ感覚がフラメンコと重なる感じも良いのだが、
いつでもねってところもあって難しい
希覯子
道問へば寒鮒釣りがねんごろに 利○小◎ 土地の人なのか、通い詰めている人なのか、余程退屈
したのか人恋しくなったのか面白いですね
風花や座布団を置く無人駅 ・○ バス停とか無人駅の座布団、ベンチ、手垢のついた素材かも
蕪鮓加賀に縁の老舗と聞く
芦ノ湖はをしの天国浮寝群 わざわざ、芦ノ湖まで出張ったということですが、
あまりに大づかみでは
戸袋に縋る蟷螂塑像化す 塑像化ですか・・
翠月
寒鮒の僅かな曳きに技の冴え 利正○希 技の冴えってのは言い過ぎていてしかも、事実の
記述のみでもありそうで
おしどりや三代揃ふ理髪店 鴛鴦がどう床屋と結びつくか、離れ過ぎでしょ
波荒れの沖のほえ声蕪酢 ほえ声」ってあんまりなじみのない言葉ですね
天よりの色の授かり次郎柿
利孟
風花や爪先余る足場板 和一正 猫走りとかいう言い方もあるようですが、日本の
足場規制てのが一番うるさいらしいです
池普請馬穴に鯉の盛り上がる 池普請には池を浚う、だめか?
紺屋町先の裏店蕪鮓 神田紺屋町、その隣に神田富山町があるんですよね、
雰囲気だけで騙されてくれる人最近いないんだなー
指二本残し寒鮒釣り鎧ふ こんな具合に寒いんですけど
鴛鴦のとりわけ雌の反らす胸
和博
浮島の流るに任せ番鴛鴦
主なき農具のをかれ蕪蒸し ?置くは「おく」です
鴨川の踊りの果てて小夜時雨 鴨川踊って春の季語ですねん
黒服の添乗員や紅葉散る 今の若い人安物の黒服が多いけど、紅葉狩りとの
響き合いがないですよね
俎上にてびくりともせず寒の鮒 鯉と間違えてないかい
白美
それぞれの秘法の餌や寒鮒釣
大寺の厨の昏さ蕪寿し 上中句はありきたりか?生臭物を格式ある寺でと
いうのはいかがか?
アルバムを開くときなし冬の夜 これは分からんね
一人身の鴛鴦何処で眠りたる 一人身?、どこなどと机上で考えず言い切ってほしい