180回点盛り
白美
教科書のあいに春本青葡萄 利◎・○和
原宿句会らしくていいね
こころもち丈を詰たる夏袴
丈を詰めるって?これ長いんで詰めたんだっていわれても面白くないね
カタカナの株主ばかり青水無月
最近の株主総会って訳ですか、6月だもんね
来し方は凡庸でよし濃紫陽花
フーン、何でも付くけど、面白くないね
雑草の豊かなる庭梅雨晴間
 
千恵子
座を立てばさはと音して夏袴 利美希
だけのことだがね
滑り台すべる烏や梅雨晴間 和○
テレビでやってた?それでどうした、発見でもない
海光の移ろひやすく青葡萄
身中の虫を鎮めて新茶汲む
お茶飲んで火が静まるかね?
水無月の月やはらかく水に乗る 利○白○美天
月、水、重ねた効果はかうが、やはらかく水に乗るが水無月か?と
 
聖火走る青水無月のこの国を 利白希◎
くれなゐの胡姫の手籠に青葡萄
葡萄と西域はつきものだが、考えてみたら青葡萄つむような物好きはいないね、青い葡萄ならあるかもしれないが
長梅雨や屋根の重たき蔵の家
蔵の家って、蔵そのもの、あるいは蔵造りってのはわかるが、蔵は蔵、家は家だ
子の穿かぬ父の残せし夏袴
親の大事にしていた袴でも今時はく子もいないというのでは只事でしかない、
護符つけて梛の苗売る社かな
 
武甲
紫陽花の囲みを抜ける鉄路かな 利・◎
江の電か箱根登山電車か、囲みを抜けるって言い過ぎ
掛け網の穴繕ひし青葡萄
手合わせの声凛として夏袴
将棋か何かかな、誰かが始まりを宣したんだろう
水無月や管理の難きダム水位
桜桃忌眼下にのぞむ神田川
 
利孟
線香の灰折れ積もり梅雨に入る 美・希
青葡萄肩胛骨の薄き皮膚 美○
一畳にひとりゆるりと夏袴
生返事かへしてぬるきビールかな
水無月のバーの鏡の暮れ残る
 
和博
稽古着のまだ似合はずや青葡萄 利希○
遠心力働いてをり額紫陽花
遠心力を見つけたの偉い!
夏めくや南蛮渡来の惚れ薬
引き際の潔き人夏袴 美・
夏袴はみんなこんなふうになっちゃったね
青水無月留守居の犬の蹲り
 
美子
神官の浅葱袴や夏来たる 利○
一年中だが、ふさわしい季節かも
青水無月ヘリの真下に遭難者
保育器の中の静寂青葡萄
静寂って、息付きとかではないのかな?
神官は色を纏はぬ夏袴 白◎
色を纏わぬが、思いを言葉が伝えていないのでは
梅雨一日白人の弾くピアノ聞く
白人特有の語りかけるようなジャズピアノ、言い過ぎているのか、いい足りないのか
 
希覯子
水無月や亀甲に縛る柳行李 利○
キコウ、ヤナゴウリと読むんだそうで、チッキのなんのと懐かしい話が
花柄の傘の銀座や梅雨に入る
パナマ帽亡父の名刺旧住所 白 
パナマ帽のスベリに挟んであった父の名刺、油染みが出来たように古い名刺だった
青葡萄わが青春は戰どき
わが青春は戦時は既に使っているはず
夏袴Gパン好きの能楽師