194回点盛り
直人
ねぶたの灯跳ねる乙女を朱(アケ)に染め 利○武か○正○
実際に見てきたばかりの景だそうで、よいところを切り取っています
茶立虫一人残りし通夜の客 利武◎美
ちと迷惑ではありますが、私の経験では遅くに一人来てくださった方を思い出します
戸に洩れる灯に朱をさしてななかまど 利正◎
戸に漏れる灯は紙の新聞紙的では
久しぶり妻とのデートサングラス
三句切れでしょう
流れ星落ち行く先に人の住む
人の住むは安直な(山のあなたの・・みたいか?
白美
廃れたる春歌の採譜茶立虫 利◎美◎
採譜が景として特殊で、言葉としても固くないかな
流星や子にもあるらし願ひごと 利直
「も」は使いたくありません
黙々と蕎麦を打ちをり七竈 利か
饒舌な蕎麦打ちってのはまず考えられない、ということで写生を更に
背に残る爪跡を問はず夏の月 利○
良い素材だと思います
サングラスかけてグレースケリーめく
星流る王家の廟のあるあたり 利○白○か武○
韓国の宗廟とのことですが、言わない方がエジプトなども思えて良いようです
オホーツクの風に色増す七竈 利美
この作り方はゴマンとあるが
マッカーサー進駐・パイプ手にタラップ降りしサングラス 利美
千年の杉の高野やつくつくし
「つくつくし」というのは、俳句でしか使わないような「省略形」のようでして、「つくづくし」によく似ているので、私は「法師蝉」の5音でつかいたいです
草枕しばし慰む茶立虫
草枕というと野宿のイメージの方が先に出てきて、旅の仮寝ではあるが、茶立て虫と齟齬が生じるように感じます
武甲
茶立虫留守居の夜の胸騒ぎ 利直◎
留守番の時、出かけた人の安否を気遣うのは確かに胸騒ぎだろうが、むしろ茶立虫の音が聞こえるような大きな古い屋敷に一人いる不安感のようなものではないのか
秋刀魚焼く匂ひ途切れぬ家路かな 利直○
駅からどこの家も秋刀魚を焼いてたというのは?
裕次郎ばりに気取りてサングラス 利○
この先の慶事の兆し流れ星
当たり前すぎるようではある
ななかまど思ひ思ひの歩を競ふ
利孟
コイン落ち終るテレビや茶立虫 か◎美○
安宿のピンク有料テレビ、しっかり読まれてしまいました
くちなはの渡りて田水静かなる 武白正
メドゥーサの首に血飛沫流れ星
ペルセウス流星群から、メドゥーサを出したのですが
ななかまど鞍になじみし尾?骨
ヒーローの見し世もかくやサングラス
美子
大家族いつしか消えて茶立虫 白◎
なんとなく一般論に感じられる、「この家に二人となりて」とか、個別具体にしたいのです
山の名に女体男体流れ星 利正
筑波の双耳峰だそうですが、山の名というと、独立峰が二つで、女峰男体とか、阿寒雌阿寒とかでは
ダムまでの細き間道ななかまど
間道は細いものでは
蝉時雨その一途さに打たれけり
生な感情の吐露は好みではありません
敗戦やマッカーサーのサングラス
同じ素材では、ちょっとこちらの方が弱いかと
箏円
足指のじゃんけん遊び秋暑し 利白
ちょっと特殊ではありますが、分かる人、分からん人で別れました
ななかまど焔の色の気配かな
流星光り増しつつ遠去かる
随分ゆっくりした流れ星の感あり
茶立虫繰り返される変拍子
繰り返す変拍子というのが分かりずらかったか
喧騒と風情のはざま蝉しぐれ
風情、この句では意味ある使い方ではあるが、「風情」と見えるだけでパスされてしまいますね