第208回四天句会
平成18年10月10日

   
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  正
古九谷の底の□福小鳥来る
微笑みの円空仏に秋惜しむ
橡の実や一木彫の四天像
霜降や山の水引き洗ふ顔
朝寒や熱き珈琲ブラックで

  美子
城址山栃の実あらん限り降る
立札に売地とありて小鳥来る
石蕗は黄に紋切垣の櫓門
小走りにゴミ出しに出て朝寒し
霜降を過ぎて忙しき庭仕事

  比呂四
霜降や樂歴代に消されし名
細き実の揺れ止まらず吾亦紅
栃の実人をかまはず地を打てり
朝寒や妻と取り合ふ掛布団
読書する視界の隅に小鳥来る

  恵一
霜降のひかりに菊の末枯れけり
駅前に点るネオンや小鳥来る
鶏頭や遠山いよよ藍ふかめ
朝寒や葉先に澄める水の玉
栃の実の岸辺に寄るを沖へ投ぐ

  耕平
霜降りる予報故郷に人無くて
ロープウェイのかかる谷川岳天高し
朝寒や湯檜曽川の瀬音澄渡る
栃の実を食して巡る上州路
初孫を抱きし庭や小鳥来る

  直人
新蕎麦と墨痕太く山の茶屋
朝寒や物干し台に猫と月
霜降や刈田に番の鵲(サギ)舞ひて
栃降って手枕を解く縁の先