第244回四天句会
平成21年12月16日

   
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兼題 落葉 初氷 大根焚
席題 時雨


  利孟
落葉掻く苔に手箒しなはせて
勅任の知事の公邸柚子熟るる
蹲踞の苔青々と初氷
大根焚文字のよじれ刀自の文
名水に売らる空き瓶時雨来る

  武甲
騎馬武者の馳せし街道落ち葉降る
目覚ましのベルを手探り初氷
冬銀河一人占めして露天の湯
大根焚老婦覚えの出汁加減
足早に過ぎる夜回り片時雨

  美子
手水鉢の柄杓に絡む初氷
駅頭を分けてライブと社会鍋
大根焚歯無き老婆の湯気の口
玉砂利に弧を描きつつ掃く落葉
濡れて行く翁も濡れし初時雨

  比呂四
小走りに入る軒先時雨かな
山ほどに湯気を吐き出し大根焚
みぞれ鍋口半開きに熱逃がし
つま先でふれて罅入り初氷
早朝の音に目覚めし落葉掻

  恵一
初氷あはひに鯉の口動く
大根焚く烟は西方浄土へと
コインランドリーの終了ブザー冬銀河
空き缶の落ち葉に埋もれ分離帯
枯蓮放心なほも覚めやらず

  義春
念仏の輪に湯気のぼり大根焚
どんぐりの降り敷く小径桜島
奥多摩の山また山の落ち葉かな
踏みて割るにはかよわし初氷