246回点盛り
美子 血管の浮き出る仁王余寒なほ 利◎義恵◎武◎ 余寒の中の裸の仁王、面白いが血管が浮き出るでは月並み化も 初午や球根売りの頬被り 利○義恵○ 面白いが、球根は大かた秋に植えて春に花を咲かせる、百合根売りみたいな感じで取ったのだが、頬かむりも季語ですし◎にはできなかった 白黒の名画の余韻黄水仙 利義◎ 白黒の名画というと水墨画?などと思うことも、余韻というだけでは伝わるものが具体性がない 二月礼者娘婚家の勝手より 利○武 そういう遠慮がね、いまどき、勝手口のある家ってのが珍しいが 啓蟄の鳥の衆目芝根斬る 芝の根をきるような畑?仕事をしていると、虫を探しに鳥が来るということらしいが 利孟 啓蟄や湯屋煙突の薄烟 武恵義○ 幇間の尻を端折りて着衣始め 美◎ 初午や湯気のうどんに甘き揚げ 美○ 黄水仙ホーム外れの喫煙所 美 インタホンに名乗りて二月礼者なり 義 武甲 深々と二月礼者の詫び口上 利◎ 深々とで、頭を下げたというのを省略するには無理があるが恵が見える 指定日で届く小包バレンタインデー 利○恵 信念を曲げぬ生きざま黄水仙 利 水仙と黄水仙は使い分けられるべき、まっすぐは同じでも冬の寒さと春とで雰囲気が違おう 初午や願ひ成就の納め札 利 お稲荷さんへの願い事ってのが具体性がみえないのが弱い 啓蟄や車窓の曇り少し増へ 車窓って言うと外のことがおおくなる、「増ゆ」はハ行には活用しません 恵一 クリーニングのタグつけしまま着膨れて 利○ えらく横着な感じでやや詩興をそがれはするが 初午や綿菓子持ちてVサイン 武○ お祭りの縁日というだけで初午の匂いが感じられない 啓蟄の蚯蚓に雨の柔し 利美 紋服の二月礼者やブザー押す 利 やで切ると奇異な感じがするな 黄水仙朝のひかりに瞬きぬ 大方の花に置き換えられてしまうな 義春 新橋の二月礼者にかほりあり 恵美 新橋で、芸者、役者まではでてくるがわかるまい、「かをり」です 南欧の気品ただよひ黄水仙 利 南欧の気品てどういうものか、判らないでしょう 残雪や大地の鼓動感じつつ 武 そうか、感じるとかいうことは言わんでいいのというより、言わないの 初午や峰から峰へ連なりて 伏見稲荷のお山の参拝者の列らしいのだが、回峰行か狐火でもあるような表現は× 啓蟄や世に幸せの予感あり 具体的な幸せが見えない抽象論を言っても俳句にはならない