251点盛

251回点盛り
美子
頭髪のきしきしと荒れ猛暑なり 利武○義比恵○
きしきしと荒れが受けたようですね、荒れが実感できるのかよく分からないけど
夕立や首無き地蔵打ち据ゑて 利○義
黒黴の胴着ずしりと手渡され 利比○武
ちと汚すぎるでしょう、胴着は、防寒のライニングみたいなものですからダメ
肩先をぽんと突かれて夏に入る 比恵◎
この独特感が利孟には悩ましい、面白いんだけどね
海月出て名残の海となりにけり
スッキリした句、しかし7月の句会の句ではちと気が早い
武甲
街の色変えて夕立鎮まれり 利◎義○美恵
単に濡れ色だけでなく、夕立の暗さから明るさが戻ったり、涼しい風が吹き出したりという、様々を感じられる色です
猛暑日の計測わるき万歩計 利美◎
計測わるきがおかしいが、おもしろい、頭痛がイタイみたいな珍妙な言葉遣いが暑さからみたいで
海の日や所作に無駄なき訓練生 比恵◎
訓練生がそこはかとなく推測されるが判らない、所作がてきぱきしていては訓練はいらないし
大潮の海流に乗り海月来る
東電さんには悩ましい限りだが、大潮という「海流」はない
黴退治あの手この手の指南本
利孟
重なりの輪のなほ透けて浮き海月 義◎武◎
夕立やコイン洗車の大ブラシ 武美○
牛丼の肉を大盛り猛暑の日 恵美義
肉の大盛りは「特盛り」というのは知っているのですが、そんなところで詠んでみても通じなくては意味がないわけで
寺の無き八坂の塔や一夜酒
黴のパンちぎれば群れ来雀かな
義春
黴の香や畳廊下の強羅の湯 利◎恵
強羅の湯という場所を詠み込んだのが違和感なく響いている、
大夕立コンクリートの神田川 利○義
コンクリートのだと、ちと大雑把かな
夕顔や佃の横丁歩く猫 利武
原句だと結構写真集などでのお決まりの予定調和、そこを崩すことを
大通り寝込む野良犬猛暑かな
やはり、6音にしても「に」は不可欠
旅の宿出でしベランダ海の月
句としては、ベランダに出る海の月くらいで出来てるんだが、海月は詠み込みでなく、兼題だから「くらげ」として季語で使ってほしいんですね
恵一
黴臭き宿直室や漫画本 利○比◎美
や」で切るなら、ここらまで行かないと、漫画本なら「の」ですんなりと
総会に異議なしの声汗ばみて
声の汗ばむは秀逸
目も鼻も溶けるがごとき猛暑かな
ごとき」というのが俳句の本質みたいなもので、それを断定的に「熱線が体貫く」と言い切るのが俳句の骨法なのです
御椀海月発光しつつ浮き沈み
今、私の履歴書でやってるのね、オワンクラゲの発光メカニズムの解明
ガードマン車を制す夕立中
制すのは当たり前、ひとひねりしてほしい
比呂四
貴重品箱の蓋開け黴拭ふ 利○義
こびりつくよりも、貴重品箱だから
熱線の体貫く猛暑かな
熱線が体を貫くと原爆忌みたいで、なんとなく実感もたせることが肝要
なす体もなくして浜の海月かな
夕立の三十分の待ち切れず
輪郭の煌々として雲の峰
これよくわかるんです、だけど煌々がどうしたものか、もっと輪郭の輝きが強調されれば素晴らしい