第267回四天句会
平成23年11月1日(火)

   
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兼題 冬支度 秋祭 新海苔
席題 「秋」読み込み



  あやの
翁の面はずせば少女秋祭
新海苔の幟出初むる築地かな
小粒なる銀杏ばかり御神木
薪高く積みペンションの冬支度
境内に醤油の匂ひ秋祭

  義春
碧空に揺る丶鳳凰秋祭
秋風や河童が棲むと伝ふ淵
秋の雨黒く塗らるる薬師像
冬支度寺の庭師の寡黙にて
寒海苔や摘みて轟く能登の海

  比呂志
貼りかえる隙間テープや冬支度
秋祭り寸の足らざる妹のべべ
ばりばりと削る大根鬼おろし
新海苔の口にほどける固さかな
香煙の鼻をくすぐり秋の夜

  恵一
新海苔の箸の先なる飴の艶
小春日や象の耳より土埃
駐在はテントの客に秋祭
仙人掌の鉢を仕舞ひて冬支度
秋夕焼をんなひたすら先急ぐ

  雨竜
短日の足音山に響きけり
秋白し祝ひ酒の後の酔ひ
新海苔や寄す波白く¢ョ
冬支度猫縁側にうづくまり
手拭をとりて一礼秋祭

  利孟
新海苔の青さの汁の浜の昼
仏飯の湯気のゆらりと秋行けり
洗ひ干す樽の並びて冬支度
寄り合ひの年寄りばかり秋祭
筑波嶺の耳をくすぐり鰯雲

  武甲
小春日の空中散歩熱気球
日本橋架けて百年秋まつり
秋の暮電話で弾む友の声
軒先に晒し干し増え冬仕度
新海苔の食感嬉し旅の朝