第297回四天句会
平成26年5月20日

   
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兼題 青嵐 金魚 東をどり
席題 冷し中華



  利孟
揺すられて惑ふ袋の金魚かな
母の日の母をそろそろやめやうか
素袷や少し不良があこがれで
涙なぞ冷し中華のせいだから
東をどり銀座に潮の香のうすく

  武甲
泳ぐたび記録伸ばす子今年竹
野を駆ける未完の駿馬青嵐
粋と美を競ひて東をどりかな
大物を狙ひて掬ふ金魚かな


  比呂志
大提灯引き上げ三社祭かな
乱取りの気迫の声や青嵐
綺麗観る東をどりに包まれて
小さき泡吹いては追へる金魚かな


  あやの
冷やし中華の皿を重ねて編集部
難波江を指呼とす天守青嵐
どよめきとためいき東をどりかな
ピンポンてふ金魚おしやまな子にも似て
草津来て殊に目に入る芝桜

  恵一
甘樫の丘に立つ影青嵐
一人食ぶ冷し中華や妻の留守
路地へ来て下ろす天秤金魚売
ペタンクの玉の転がり蟻地獄
東をどり画伯下絵の裾模様

  雨竜
東踊りお座敷遊び共通券
神棚の下に飾られ金魚玉
青嵐坂下り行く港町
冷し中華色取りのよきタレに付け
暮の春雨に塗られて闇眠る


  義春
弧を描く芸者の扇金魚の尾
青嵐松の羽衣吹き上げて
薄闇の繁みにほつと初蛍
どの卓も冷し中華のありにけり
和の文化東をどりの綺麗かな