第298回四天句会
平成26年6月17日

   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 簾 朝凪 紫陽花
席題 河鹿



  利孟
錆び釘を探りて吊し青簾
朝凪や煙うつすりと護衛艦
河鹿笛宿の捨て湯の薄濁り
赤青の風に相討ち花四葩
河鹿笛湯小屋の梁に凝る雫

  比呂志
傘通る径に揺れけり濃紫陽花
挨拶を終へて開きし扇子かな
障子戸を外し簾を吊るしけり
朝凪やテトラポッドに鴎群れ
野天湯に手足を伸ばし河鹿笛

  恵一
朝凪や皆ゆるやかに太極拳
紫陽花の陰より猫の目の光る
汝の腕を枕に河鹿聞いてをり
マンションの窓の内なる簾かな
日除け付帽の連なりインパール

  義春
音の無い官舎で昼寝夏来る
朝凪や大漁旗揚ぐ帰り船
山小屋の消灯時間河鹿笛
紫陽花の狭む参道傘傾げ
千年の宿でうたた寝青簾

  雨竜
青簾東京タワーゆらめいて
紫陽花やてるてる坊主の喫茶店
朝凪に響く柏手厳島
河鹿笛苔むす岩の水すくひ
入梅や妻の小言を聞き流し

  武甲
いつまでも続く夜話河鹿宿
朝凪や船出を惜しむ紙テープ
幟立て簾めぐらし御開帳
梅雨晴れ間ジャングルジムに子の群れて
紫陽花の見頃惑はす七変化