第312回四天句会
平成27年8月18日

   
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください

兼題 サングラス 蜘蛛 秋扇
席題 灼ける


  利孟
胸元に掛けて胸開きサングラス
手に取りてまた置く無聊秋扇
夜の蜘蛛座敷童は摺り足に
何話しかけても笑ひ生御霊
口寄せや賽の河原の灼けをるも

  あやの
こめかみの静脈あをくサングラス
坊主刈灼けし蛇口に突き出せり
蜘蛛の巣も古りたるままに貴腐ワイン
教頭の胸ポケットの秋扇
蝉しぐれ回転木馬降りてより

  比呂志
逃げる子の顔を捕ヘて蜘蛛の糸
空蝉の一つ転がる吹き溜まり
相槌の間合ひとりけり秋扇
サングラス越しに突き刺す視線かな
アウトレットモールに灼けるボンネット

  武甲
干上がりし小便小僧石灼ける
蜘蛛の糸切れて空中散歩かな
筆立てにところ狭しと秋団扇
輪に入れば誰も土地の子盆踊り
銀幕のスターを気取りサングラス

  恵一
口説かれて女形のいじる秋扇
夏館厚きカツレツ聖書ほど
ブロンドの髪払ひたりサングラス
手すり灼け海を見に来たこと忘る
蜘蛛脚を縮む琥珀の泡の中

  義春
復興の説明会や秋扇
サングラス外せばゴビの砂漠かな
蓮の花湖は浄土となりにけり
灼くる野や打撃練習金属音
蜘蛛の子やあす朝に来よ枕元

  雨竜
サングラス胸に子を抱く親子連れ
軒下に居場所を確保蜘蛛の糸
風さそふ香微かに秋扇
四十度の暑さに踏み込む秋隣
灼くる野を駆くる子供の白き靴