第320回四天句会
平成28年4月19日

   
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兼題 啄木忌 苗木市 山吹
席題 わらび餅




  利孟
木道の乾いた白さ啄木忌
山出しの梃子であやして御柱
実をつける齢指折り苗木市
校長の朝の声掛けかがみ草
咽喉元のざらつく甘さ蕨餅

  あやの
目薬で補ふ涙啄木忌
手打ち蕎麦の大きな幟苗木市
寿で文字消すはがき春灯
紙挟の書類を仕分けわらび餅
枝折戸の鐘の音軽し濃山吹

  武甲
苗木市行きては戻り品定め
天空へまでも競ひて今年竹
濃山吹滝へと走る水の音
密集のモールの如く牡丹咲き
啄木忌座像に浜の風優し

  比呂志
神木の走り根隠し濃山吹
左巻き右巻きの渦花筏
根張り良きものを選びて苗木市
コーラスに詩吟に短歌啄木忌
鼻息できな粉の飛びてわらび餅

  雨竜
山吹や水車の水を落とす音
親の靴を揃へてやつて蕨餅
朝の日に匂ひはじけて黄水仙
苗木市猫額ほどの庭に植ゑ
啄木忌釧路の町の佇ひ

  恵一
苗木市花芽の数を見くらべて
早池峰をよぎる白雲啄木忌
兵馬俑の被りし埃蕨餅
山吹や異母兄妹の黄泉に逢ふ
螢烏賊光めがけて掬ひあぐ

  義春
滝の音としぶきに撓み濃山吹
啄木忌柱時計の刻む時
苗木市実のつく年を確かめて
蕨餅団地のママ友昼下り
花吹雪はしやぐ園児をおほふかな

  翠江
遠山のまだら模様の濃山吹
頭出て手足の生えてランドセル
ぷるぷるとゆれ動くわらびもち
植ゑる場所思ひて選りて植木市
砂城を築く人生啄木忌