第331回点盛り

利孟
花菜風受けてゴトリと発つ電車 義◎雨◎武
春の雪すべりて濡らす硝子窓 武○恵
次の寺までは半刻のどけしや 義雨
砂抜きの蛤闇に汐吹いて 比武
犀川は北へと流れ鳥雲に
武甲
蛤を焼きて帰漁の祝ひ酒 利◎あ◎恵
鳥雲に入りて湖面に波残す 利○比○
雲間に消えようとする鳥が、波残すというもう一つの動作に関わるというのが時間差からちと落ち着かない
菜の花に見え隠れして海光る 利比
碑にきざむ船村演歌春の潮
のどけしやトンビ輪を描く城の町
恵一
のどけしや時計の上に鳩啼ける 利武◎
この時計が公園あたりの屋外のポールなどに設置されているとは思いもよらなかった、鳩時計としか思えなかったのです
モジリアーニの瞳のなき女春浅し 利○あ
目はあると思いますが、黒目の見えない虚ろな目の絵などもありますから
貝塚にモース立ちけり鳥帰る 利義○
銅像ってわけでもなく、時間を越えての話でしょう
山越えて菜の花畑海の色
酒蒸しの白蛤や小盃
小盃?
あやの
菜の花や中学生の恋談義 利比◎義
ブックカバーはぎれで縫ひて午後のどか 利比恵○
鳥帰る浜に人影ふたつみつ
長旅の話聞きつつ蛤汁
ハマグリジルの6音は座りが悪いけどね
ままごとの声の空耳花ミモザ
空耳てのは、なにか聞こえたようなということなのだが、どうかね
義春
一点を見つめ村人鳥帰る 利雨武
見詰めは村人、鳥どちらにかかるのか?
蛤を深間で探る足の先 雨○
長閑なり電話の鳴らぬ昼下り あ○
菜種咲く校外授業歌歌ひ
例年のたんかん届く皆達者
個人情報に過ぎないでしょう
比呂志
酒蒸しの蛤蓋を打ちにけり 利恵◎義
長閑さや路面の音のドレミファソ
メロディ舗装みたいなのはあるようだが特殊ですよね
鳥帰るV字飛行の航空隊
航空隊というと相当の数になりそうで、せいぜい編隊の数機ということでは
菜の花や丘の黄色に空の青
山茱萸こまごまとして咲き誇る
雨竜
駘蕩の多摩大宮の石畳
ゆったりした雰囲気がよろしい
三月の頬の滑りや朝の風
菜の花や空に吟じる鳥の声
百千鳥という季語がこれですかね、吟じるは?
蛤つゆのむき身二つの汁こぼれ
鳥帰る池の公園子等の声
三句切れはいけませぬ
翠江
微睡みの窓辺のコーヒー長閑なり
はんなりと色付柳春の味
はんなりと云ってしまったら俳句はいらない
花の香につられ振り向く沈丁花
雅なる立振舞いの貝合わせ
ひな人形飾る喜び古希迎え
どういう喜び?、古稀がなんでひな人形?