第338回四天句会
平成29年10月11日

   
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兼題 水澄む 柿 虫の音
席題 霧




  利孟
水澄むや琵琶湖疎水の煉瓦樋
朝霧や木の枕木の待避線
柿日和熊野古道を下り来れば
虫の音や煌煌と灯のパチンコ屋
背を傾げ受ける警策秋灯し

  あやの
虫すだく東京タワーの裾の闇
街道にならぶ酒蔵水澄めり
民屋のカフェの中庭柿熟るる
放れ馬柵にたたづむ霧の中
隊列は伝書鳩らし秋の天

  義春
水澄むや湖底に眠る原始林
朝霧や牛乳瓶の音立てて
富有柿皮剥く祖母は米寿越え
旅宿の夜風にのりて虫の声
友は皆忙しさうね冬支度

  比呂志
枝先の弾けて戻り柿落ちる
衣更座席に並ぶ黒タイツ
洗ひ場の小窓を開けて虫の声
トンネルを抜けて濃霧の高速道
水掻きの速き動きや水澄めり

  雨竜
水澄むや庫裏隅々を拭き上げて
虫の声スマホに見入る人ばかり
山の霧ヘッドランプに道標
木守柿守り切れずに落ちにけり
名月や普段のままのこの日あり