第348回四天句会
平成30年8月7日

   
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兼題 夏の月 晩夏光 花火 羅 野菊


  あやの
羅の小走りに来てエレベータ
花火果つのつぺらぼうの競馬場
野紺菊ゆれ揺れ戻り線路際
ライトアップの都庁頂く夏の月
公園に踊りの稽古晩夏光

  比呂志
三つ編みを解きて束ねる野菊かな
水舟に洗ふ野菜や晩夏光
堤防の火照りを背なに揚花火
羅や白檀の香のゆらめきて
三味の音の風に流れて夏の月

  恵一
銃身を青く照らして夏の月
遠ざかる船の汽笛や晩夏光
野菊摘み利休聚楽の茶会へと
羅や見せずに渡す心付け
花火殻落ちしところへ消火班

  武甲
夏の月走り戻り来肝だめし
余韻なほ全長二キロの大花火
羅や天女の如きバレリーナ
高らかに勝利の校歌晩夏光
村を護る鎮守の杜や野菊摘む

  義春
野仏に手合はす老婆野紺菊
夏の月小舟は揺れて浮御堂
羅や女将着替へる擦れる音
晩夏光喇叭呑みして大薬缶
揚げ花火広き湖面を瞬かせ

  雨龍
遠花火我がふるさとは山の陰
晩夏光長き石段駆け降りて
夏の月波音の寄す古戦場
羅や二本の脚の長き事
葛飾や野菊の里へ行く渡し