第349回四天句会
平成30年9月11日

   
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兼題 鬼灯 稲妻 虫 草の実
席題 秋彼岸



  利孟
虫売の闇に声佳き籠置いて
草の実やゆると足替へ太極拳
しなびたる葉の鬼灯の朱の盛ん
秋彼岸車溢れる道の駅
珠を追ふ龍の稲妻地より立つ

  雨竜
稲光寺を守りて四天王
風音と遊ぶ鬼灯無人駅
半眼となりて描く眉虫の声
秋の燈や山懐の電波塔
草の実を飛ばせ川原に荒き風

  恵一
甲斐は雲生まれるところ秋彼岸
草の実を総身に子犬戻りけり
稲妻や那須野に立てる火の柱
樹上にて鳴く轡虫月の夜
鬼灯を兄にせがむる少女かな

  綾野
秋彼岸青空市に売る醤油
虫の音や穂のゆらめきの易者の灯
草の実跳ぶ垣の破れし庭球場
稲妻やブラインド上げ伸ばす腰
ほほづきや八百屋の呉れし一掴み

  義春
浅間山両肘張りて食ふあまご
稲妻や竜の住処の街の空
草の実をみつしり付けて子犬の尾
畑中の闇なお深し虫の声
鬼灯や島津家墓所の奥の院

  比呂志
稲妻の一瞬に裂くご神木
鬼灯の四方に割れて赤提灯
草の実をくつ付き虫と子の囃す
綿ぼこりすいと拭ひて秋彼岸
雨音の消えて沸き立つ虫の声