第360回四天句会
令和元年8月8日
   
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兼題 浮巣 心太 花火
席題 空蝉


  利孟
着陸の窓に小さき揚げ花火
空つぽの脚で踏ん張り蝉の殻
婆の売る一銭洋食ところてん
妻問ひの葭を咥へて浮巣かな
洗ひざらしの普段着をつけ盂蘭盆会

  雨竜
ひやし酒薄紅色の江戸切り子
壇ノ浦御裳川の浮巣かな
シユルルルと天に傘さす花火かな
心太ツルリと喉を冷やしけり
空蝉や39度の蒼い空

  武甲
川瀬へと跳ね入る神輿夏祭り
湧き水に西瓜浸され帰省待つ
子育ての浮巣見守る双眼鏡
フィナーレの速射、連発、大花火
刻み海苔噎せては散らし心太

  義春
廃校の薄い板壁蝉の殻
湖の子のボートは波に鳰浮き巣
大花火満天を埋め浮御堂
心太客と家族の数を突く
うたた寝の夢に実家の蚊遣香

  虚承
フラダンスめいてくねりて心太
雨上がり浮き巣の中の雛の声
戦利品蝉の抜け殻3D
夏痩せや妻食べあぐね目玉焼き
音速を肌で感じて遠花火

  比呂志
リムジンのドア開け囲むサングラス
火花飛び線香花火の揺れる玉
忍び寄る影に浮巣の浮き沈み
弱からず強からず突く心太
爪痕をしつかり残し蝉の殻

  あやの
鳰の子のしきりに潜り浮巣かな
太竹に万の折り鶴星まつり
マンシヨンの隙の仕舞屋ところてん
漆黒の並木の奥の遠花火
空蝉を人に見せた季夕ごころ