第353回四天句会
平成31年1月10日
   
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兼題 初日 伊勢海老 七草



  利孟
七草や漆の灼けた朱塗り椀
山眠る賽の河原を懐に
折れ角の棘の鋭さ飾り海老
福詣で五色の七福豆人形
蹲踞に落ちる水音淑気かな

  武甲
伊勢海老のおがくず詰めの化粧箱
平成の冨士見納めの初日かな
耳当ての淡きピンクや寒に入る
七草の粥に並べるビュッフェかな
参拝を終へ甘酒を求む列

  恵一
餅搗くや馬場の合ひの手手際良く
訓示受け社員揃ひて萕粥
伊勢海老の胴の断たれて動く髭
大鳥居かなたに昇る初日かな
雲ひとつ無き海原の初景色

  比呂志
伊勢海老の髭反り尾跳ね実の弾け
初舞の床打ち鳴らしフラメンコ
七草粥胃の腑に落ちる温さかな
松過ぎて宛先不明と年賀状
メラメラと大気を揺らし初日かな

  義春
貫之の札を諳んじ歌留多とる
スーパーの春の七草あをあをと
初日さす新国立のスタジアム
伊勢海老の三国一の長き髭
練炭の熾り兄弟起きそろひ

  雨竜
鳩時計の鳩の鳴き出す初日かな
坂道に母の手を取り初詣
七種やお疲れ様に舌鼓
出来事の皆打ち捨てて師走かな
伊勢えびの杖搗く人の祈りかな