第353回点盛り

利孟
七草や漆の灼けた朱塗り椀 義◎比◎
山眠る賽の河原を懐に
欠け角の棘の鋭さ飾り海老
福詣で五色の七福豆人形
蹲踞に落ちる水音淑気かな
武甲
伊勢海老の散らすおがくず化粧箱 利○惠◎義
平成の冨士見納めの初日かな 利惠義
耳当ての淡きピンクや寒に入る 義○
季重なり
七草の朝粥並ぶビュッフェかな 利惠
参拝を終へ甘酒を求む列
恵一
餅搗くや馬場の合ひの手威勢良く 利○比○
七草粥社員食べをり訓示後 利比
伊勢海老の胴離れても髭動く
大鳥居かなたに昇る初日かな
海原に雲ひとつなし初景色
比呂志
伊勢海老の髭反り尾跳ね実の弾け 利◎
初稽古床打ち鳴らしフラメンコ 利○惠
七草粥胃の腑に落ちる温さかな
松過ぎてゴム印大きく住所不明
メラメラと大気を揺らし初日かな
義春
諳んずる貫之の札歌留多とる 利惠○
スーパーの春の七草あをあをと
初日さす新国立の鹿島立ち
伊勢海老のギネス認定立てる髭
練炭の熾り兄弟起きそろひ
雨竜
鳩時計の声する初日かな 利○
坂道の母の手を取り初詣
七種やお疲れ様に舌鼓
出来事の皆打ち捨てて師走かな
伊勢えびの杖搗く人の祈りかな