第365回四天句会
令和2年正月17日
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 霜柱 初夢 初日
席題 鏡開き

  利孟
霜夜かなまたぎは銃を抱き眠る
初夢を見むと枕の方違へ
去年今年灰に残り火探りゐて
夜神楽の太鼓に鬼の舞ひ出でて
鏡割り汁粉の餅の固きまま

  義春
添書きに知人の訃音年賀状
餅搗きや父母が総出の町道場
霜柱朝の点呼の声高く
去年今年同じ能率新手帳
初夢や七福神とハイタッチ

  雨竜
霜柱地と足底の不協和音
城跡の石垣照らす初日の出
初夢に富士の頂き極めたり
去年今年護岸工事の錆び矢板
道場の声が響くや鏡割

  比呂志
朝の日を纏ひ煌めく霜柱
初売りの次々重ね菓子袋
初夢の大風呂敷を広げけり
ひび割れのままに鏡餅の割れ
映像を駅舎に映し去年今年

  武甲
炊き出しの鏡開きの汁粉鍋
飴を切る音も厄除け初詣
登校の朝のきらめき霜柱
「紅白」が終り鐘の音去年今年
初夢の大栄転の辞令かな

  虚承
書留の合格通知春の雪
早朝の予約の着付け去年今年
ポストまで霜柱踏む朝かな
初夢に妻の出て来てルビー婚
鏡開き木槌ポンポン不揃に

  あやの
可も不可もなき初夢でありにけり
狼藉の小さき足跡霜柱
界隈は未だ鎮もり初明り
大き罅に狙ひを定め鏡割る
包丁の良き切れ味や去年今年