第377回点盛り

利孟
胃の腑へと落ちて細魚の頼りなく 義○あ◎虚
目にも舌にも上品な味わいが身上であるものの、お造りなどは「あまり食べた気がしない」のも実感なのを、端的に描写されています:あやの、◆元々大きな魚では有りませんけど、顎を外せば更に小さな魚、量は期待出来ません。:虚承
乗り換へのメモを見返し受験の子 あ比◎虚
受験生の健気な姿を、不慣れな道中の一齣に切り取られていて、優しい視線を感じます:あやの◆初めての地に向かうひとこま、受験の他に気になる問題が無事に着けるか?そんなひとこまです:虚承◆
皇居前広場の砂利を踏み朧
皇居に散策でも行ったのか、二重橋前の砂利を踏み鳴らし朧の中を歩いていた。:比呂志◆
山笑ふ鉄道茶瓶に茶の一字
 
シーソーにタイヤのクッション麗らかに
 
比呂志
受験子の退室時刻に笑み浮かべ 利虚〇
退室時刻は:利孟◆受験子のガッツポーズは廊下までお預けしているのでしょうか?今までの苦労が実りました:虚承◆
麗らかや老舗の並ぶ日本橋 利〇雨
穏やかな晴れ渡る日和に何年と続いているお店をショッピングする事ですっかり時間を忘れさせてくれる事で逆に時のながれを感じさせてくれる。:雨竜◆
山笑ふトンネルだらけのリニアカー 利雨
山深く延々と続く山並みの流れとそのトンネルの中をただひっそりと走りいくリニアの静との対象が良かった。:雨竜◆
トロ箱に嘴刺さるさよりかな
こういう光景見たこと無いので分かりません:利孟◆鮮度の良いものは腹に固さがあるというサヨリは、矢尻の様にも見え、誇張法が面白いです:あやの◆
ウイルスと共に黄砂の飛来し
なんですがね:利孟◆ 
虚承
うららかやチヨコレイトと五歩進み 利◎義
やった!やった!と思い出すが、ホントは六歩のはずを見事にだまして見せました:利孟◆ 
山笑ふ湯気立つ厨修行僧 利〇
三句切れ:利孟◆ 
駒専とMARCH全てを受験する
する、では只の報告、してとすることで話しが拡がっていく:利孟◆ 
春の宵二人きりなる三次会
それを三次会というのか?:利孟◆ 盛会だった宴も果て、まだ話し足りないのか飲み足りないのか、只々名残惜しい二人なのか「春の宵」で、幾通りにも妄想が膨らみます:あやの◆
外敵に顎ばかり見せ細魚去る
 
義春
麗かや寮まで五分夜勤明け 利あ〇
徹夜明けの目には眩しい朝の光の中、寮へと歩く僅かな間、穏やかな陽気に心身も和み、ゆっくり眠れそうな充実感が伝わります:あやの、◆
おにぎりの転げる話山笑ふ 利〇虚
結構説得力がある:利孟◆童話に有りました。おにぎりコロリ、懐かしいし、微笑ましく、山が本当に笑いそうです:虚承◆
朝の海光を背に針魚かな
きれいな句:利孟◆ 
受験子の予備校仕様受け答へ
面接とは意外なところに目を付けた:利孟◆ 
春嵐中止のシール斜め貼り
何が中止か?、今だけ分かるコロナ騒動では理解不能ということ:利孟◆春にさっと吹く嵐と今の中止の状況も一瞬の事と上手く纏めた:雨竜◆
雨竜
春一番壁が剥がれた無人駅 利〇雨
 
山笑ふ相模の海を望みつつ 利比
相模湾の向こうの富士山ですか:利孟◆高台から相模湾を展望していたら、湾を囲む山々が色付き始めていた。という広い景が良かった!:比呂志◆
海面を雨もサヨリもつつきけり 比○
雨降りのサヨリの漁で網をたぐり寄せる度に、海面を雨が刺し、海中からは、サヨリの口端が海面を刺している景は言いえて妙!:比呂志◆
受験の日普段の通りバスを待つ
なるほど、家が近いから東大へ来ましたって人いますからね:利孟◆受験生のルーティンなのだろう。日常と同じ行動をすることで心が落ち着くのであろう!:比呂志◆
麗日や火災訓練裏切らず
ご尤もではありますな:利孟◆ 
あやの
うららかやマシュマロを買ふ修道女 利義◎雨◎虚◎
面白い:利孟◆ほのぼの感が最高です。マシュマロと修道女のコントラストも楽しめました:虚承◆穏やかな日と小太りのマシュマロを買う修道女との組み合わせが絵画を思わせる。:雨竜
芯潰すえんぴつの音大試験 利義雨〇
芯を潰すというのは?、字面が音楽大学の試験か?と:利孟◆)試験の緊張感を鉛筆に思わぬ力が入った事によりその緊張感がとても良く伝わった:雨竜◆
二艘曳きのさより船行く朝ぼらけ
一生懸命調べたのでしょうね:利孟◆ 
ガード下のヴァイオリン弾き鳥帰る
面白い取り合わせ:利孟◆
ジャングルジムに載せる幼子山笑ふ
大丈夫か?幼子には危険!:利孟◆