第370回四天句会
令和2年7月10日
Zoomリモート句会
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 打水 鮎 土用
席題 蚊遣香


  利孟
客の数かぞへて流し鮎の梁
藍染めのうの字に尾ひれ土用丑
四ツ這ひの背を燻して腰蚊遣
銀座通りに揃ひの法被打水す
塩摺りに悲鳴かすかな茄子かな

  あやの
一学級輪となり串の鮎を喰ふ
四季咲の薔薇窶ればみ小暑かな
炎を上げる中華鍋振り土用入
打水にあをの艶めく葉蘭かな
蚊遣香椅子のはみ出す焼き鳥屋

  比呂志
粗塩で立たせた尾鰭鮎を焼く
犇めける桶の鰻を選り土用
軒下にくすぶる蚊遣り雨上がり
打水の大方己に浴びせ吾子
かき崩す手順をしばしかき氷

  虚承
北斎の波の飛沫の土用波
打水の柄杓を低きまま返し
通年の鑑札胸に鮎を釣る
みつ豆をシャッフルしては掬ひ喰ふ


  義春
人絶えし摩文仁の崖や土用波
みづうみの宿の暗がり蚊遣香
凌霄の散り敷く小径ピアノの音
鮎貰ひわたしゃ猫よと叔母破顔
打水や大地の匂ひ仄かなり

  雨竜
土用入りひと休みする鳥の声
打水や二階の窓に三味の音
通過する電車が丸い夏の雨
踊り串打ち鮎を焼く老夫婦
蚊遣火や屋上からの町明かり