第374回四天句会
令和2年11月11日
Zoomリモート句会
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 冬空 冬立つ 湯豆腐
席題 柿落葉

  利孟
忌火屋で切り出す浄火冬立つ日
湯豆腐や小鍋の昆布に泡浮いて
秋の山道標薄る遍路道
柿落葉風に逃げるを追ふ箒
冬空の裾へと白き道伸びて

  あやの
ニコライ堂に二つのドーム冬の空
北向きの神田古書街冬に入る
染め糸を吊す工房柿落葉
駿河台抜け古書街へ秋惜しむ
湯豆腐や心平たに身は軽く

  比呂志
虫食ひや赤黄を重ね柿落葉
冬来る襟立て駅に待つ電車
冬天や大涌谷に湧く煙
湯豆腐の土鍋の泡に踊りけり
解禁の初物の届きずわい蟹


  虚承
湯豆腐や昆布やはらき香をたてて
拍子木の響き月まで冬の空
共白髪頭となりて秋惜しむ
新幹線ドア開くまでの今朝の冬


  義春
鷹の声武蔵野の森しづもりて
冬の空抜け落つ髪の細さかな
返り花閉園の曲流れ来て
湯豆腐や庭より続く南禅寺
大鉢の南瓜の煮つけ冬至かな

  雨竜
冬桜季節行き来し植物園
煮え花の湯豆腐そつと掬ひ上げ
冬立ちぬ一服の茶の香を愛でて
柿落葉ほどの小さき足の跡
冬空の共同墓地の親子かな