第376回四天句会
令和3年正月13日
Zoomリモート句会
   
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください

兼題 初茜 初冨士 初夢
席題 ごまめ



  利孟
くつさめを吾が身の喝として夜道
初夢の続き銀座のシネマへと
合掌し汲む井戸の水初茜
五万米掌に受け焙じ茶の大湯呑み
初富士や空港特急客あふれ

  あやの
ことごとく赤き実喰はれ日脚伸ぶ
初富士や羊の群れは身を寄せて
重なりて向きのまちまちごまめ噛む
初夢の懐かしき顔知らぬ顔
家並の間隙を縫ひ初茜

  恵一
初富士や出船は水尾を長く引き
初夢の誰もがマスクを捨て笑顔
真鶴の岩に一条初茜
大寒波スノーポールもうづもれて
ごまめ炒る匂ひに猫の集まりぬ

  雨竜
初夢や子規は背中を痛がりて
初富士の裾野は甲斐へ駿河へと
初茜染めて打ち寄せ波しぶき
初詣参道脇の六地蔵
甘辛さ目玉の固さごまめ食ふ

  比呂志
初富士やビル立ち並ぶ富士見坂
山の端をしかと縁取り初茜
初雪や湯気に埋もるる露天風呂
初夢や二度寝しながら見る続き
田作の枕並べて朱塗皿

  義春
初茜伊豆の島々影静か
粘りつき箸と組み合ひ小殿原
初富士や三保松原に天女舞ふ
初夢の未来を語る遠きわれ
年賀状仕舞ひのフォント掠れをり

  虚承
数の子や妻と酌み合ふ吟醸酒
酔ひ覚めの悔いと願ひを初富士に
五万米取るジェンガを箸で取るやうに
初夢や太鼓の達人トップ保持
初茜見栄を捨てをりズボン下