第381回四天句会
令和3年6月9日
Zoomリモート句会
   
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ご興味のおありの方はお探しください

兼題 梅雨 青梅 朝凪
席題 麦の秋 


  利孟  
寄り道に渡る線路や麦の秋  
朝凪やカッター櫂を立て戻る  
葉の色に染まりて太り青実梅  
注射後の休憩しばし梅雨の底  
花嫁の父となる日や杜鵑花咲く  

  義春  
朝凪や客に櫓持たせたらひ舟  
梅雨の湖長き棹さし漁り舟  
麦秋や道産子を引く調教師  
尼寺を埋める四葩のはなだ色  
石庭の白砂の海に落ち実梅  

  虚承  
男梅雨鯉は捌く手跳ねかへし  
青梅や赤ちやん筆に願ひごと  
低空をヘリの旋回原爆忌  
朝凪や浮子を遊ばす波も無く  
青空と稔りの色の麦の秋  

  恵一  
大学街官庁街の梅雨深し  
朝凪やホースの洗ふ魚市場  
青梅や読経の響く大広間  
草原に象の嘶き麦の秋  
朝凪や破船の燃ゆる煙立ち  

  雨竜  
青梅や肩に警策頂いて  
梅雨に入る駅のホームの水溜り  
朝凪や切妻屋根の能舞台  
夏の暮うつぶし色の残り雲  
麦秋や背中に丸き妹を負ひ  

  比呂志  
梅をもぐ手伝ひの娘の紅の爪  
朝凪や町は気配を消してをり  
小刻みに使ふ扇子の小開きに  
青々と頭剃り上げ梅雨に入る  
青き空吹き抜ける風麦の秋  

  あやの  
青梅雨の水輪小さきビオトープ  
バンガローに肉焼く匂ひ麦の秋  
朝凪やたくあん匂ふ漁り舟  
鎖されて忘れられたる梅雨の月  
青梅を園児叩きて採るジュース