第383回四天句会
令和3年8月11日
Zoom句会
   
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兼題 ビール 蜥蜴 泥鰌鍋
席題 旱



  利孟  
引き回すホースのねぢれ庭旱  
天と地の境はここと蝉の殻  
此れやこの慌て蜥蜴は尾を忘れ  
うなづいて仲居追加の泥鰌鍋  
指定席取つて帰宅の缶ビール  

  比呂志  
田の土の五角に割れて大旱  
どぜう鍋囲み下世話な話など  
端居してリモートワークのタブレット  
目を離す隙に蜥蜴のどこへやら  
ビール飲み干して至高の息を吐く  

  恵一  
青蜥蜴首出すビルの排水管  
アクリル板隔て二人の泥鰌鍋  
無観客のサッカー中継缶ビール  
泥鰌鍋はさみ男女に会話なく  
鴉また魚を漁る旱川  

  義春  
信長の煌めく衣裳瑠璃蜥蜴  
健啖の古稀の滋養の泥鰌鍋  
山並みの奥の遠富士缶ビール  
住職の自慢の庭や百日紅  
大旱奥土の農民たゞ涙  

  あやの  
仕事よりゴルフの話どぜう鍋  
朝顔鉢けなげに五輪競技場  
残る根の芽立ち抜きつぐ旱かな  
悪童の宝の箱の青蜥蜴  
揚げ浸しの五色の野菜ビール酌む  

  虚承  
引き潮の残す空き瓶夏の月  
溜池に鮒の背みゆる旱かな  
ご開帳の厨子の陰より青蜥蜴  
誕生日の妻を主賓に呑むビール  
溶き卵流して蓋をどぜう鍋  

  雨竜  
ワンカット298の西瓜食ふ  
飛び回る孫を隣に泥鰌鍋  
乾杯の大声天空ビアホール  
ゆつくりと大地を掴む蜥蜴かな  
旱雲小石大石塵ばかり