第384回四天句会
令和3年9月8日
Zoom句会
   
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兼題 良夜 夜食 秋出水 
席題 燈火親し





  利孟  
虫すだく両手に重きレジ袋  
良夜かなスマホにつんと着信音  
燈火親し諸処に家紋の江戸の地図  
スマホ取り出して夜食の品定め  
水かぶり重き長靴秋出水  

  比呂志  
月の道湖面を渡る良夜かな  
相席を乞はれて咽せて心太  
燈火親し一夜処分の本読みて  
見晴るかす畦はその下秋出水  
スープ残して夜食の味噌ラーメン  

  義春  
秋出水村の社に押し寄せて  
無線聞きながら夜食の救命士  
良夜かな子規の句集を読み返し  
燈火親し辞書脇に読むエアメール  
縁側に一人酌む酒酔芙蓉  

  雨竜  
日本橋越えて銀座へ良夜かな  
ニ番方黙したままに摂る夜食  
秋出水青き車の流されて  
燈火親し息子は机拭きあげて  
母の手を握り返すや秋扇  

  虚承  
燈火親し拓本版の唐詩選  
秋出水渦をとどめて沈下橋  
パジャマ着た孫とテントで良夜かな  
御焼二個電子レンジに入れ夜食  
宗派問はぬ古刹の墓地の萩揺れる  

  あやの  
秋出水救助ボートが玄関に  
組紐の駒をやりとり良夜かな  
虫の夜光湛へて青瓦  
灯火親し対訳たどる聖書かな  
二つ目の点心迷ふ夜食かな  

  恵一  
燈火親し源氏須磨より明石へと  
キーを打つ夜食のパンを咥へつつ  
雨のなか落花の崩る紅芙蓉  
秋出水ビニールハウスを波洗ふ  
酒壜の箱積み重ね良夜かな