第387回四天句会
令和3年師走8日(
Zoom句会
   
兼題 冬林檎 枯れ葉 飾り売り
席題 霜夜
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ご興味のおありの方はお探しください




  利孟  
詰襟の袖で光らせ冬林檎  
歩道橋脇の掛け小屋飾り売り  
音立てる枯れ葉に風の道変はる  
民宿の炬燵で覆ひ敷く蒲団  
酔ひつぶれながらゐつづけ神楽宿  

  比呂志  
黄や赤の音を重ねて枯葉掃く  
本堂の裏へ回れば飾り売り  
サンテラス椅子を揺らして冬林檎  
湯豆腐を囲み話の浮き沈み  
真ん中に菓子盆を据ゑ掘り炬燵  

  あやの  
ローストチキンの写真の煤け古暦  
軽トラに棚を設へ飾売  
刃を受けて甘露の滲む冬林檎  
隣の枯葉向かひの枯葉掃き寄せて  
古墳の本に埋もれる下宿置炬燵  

  義春  
海鳴りに誰も語らぬ炬燵かな  
べらんめえで客とやりとり飾売  
花八手一人老女の住む家宅  
籾殻を両手で掬ひ冬林檎  
風に揺れながら永らへ枯葉かな  

  恵一  
チョコバナナ買ひて一息飾売  
雨の日は猫と共寝の炬燵かな  
美容院の軒先借りて飾売  
駿河湾にかがよふ夕日冬林檎  
いつまでも落ちぬ枯葉よ病者の窓  

  雨竜  
住み慣れた四畳一間の炬燵かな  
白い雲木々の枯葉の隙間より  
冬の月塾の帰りの影法師  
帆前掛け締めて客呼び飾売  
ウィッグ付けて心軽やか冬林檎  

  虚承  
冬の海茶碗で受ける島焼酎  
冬林檎机の木箱取り替へて  
つむじ風子の駆け抜けて枯れ葉舞ふ  
飾り売り薪を火にくべ手締めして  
孫の手を四方に伸ばす炬燵かな