第397回四天句会
令和4年10月11日 Zoom句会
   
兼題 新涼 秋祭 柿
席題 金木犀
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ご興味のおありの方はお探しください



  利孟  
新涼や飯炊く竈の火の爆ぜて  
梵天の波に神輿の浦祭  
香を降らせ尽くしてこぼれ金木犀  
秋の蚊といふが獰猛腰蚊遣り  
猿の来て夜には猪来て柿熟るる  

  あやの  
金木犀吉良旧邸の海鼠壁  
新涼や音立てて引く棒みくじ  
秋祭隠居の店主顔揃へ  
柿をもぐ首をぐるぐる回しては  
二本立映画館出で秋時雨  

  恵一  
新皇を名乗り将門柿かじる  
新涼や硝子のくもるスポーツジム  
水の秋遣唐船は帆をあげて  
テニスコートに金木犀の香の溢る  
母と子が纏回して秋祭  

  義春  
彼方より匂ひ大社の金木犀  
新涼や友の葉書の細き文字  
秋祭野外映画の大歓声  
祖母植ゑて今はたわわの次郎柿  
草原の馬踏み分けて花桔梗  

  虚承  
秋祭り軽トラックに乗せ神輿  
新涼や胸の真白き貝釦  
夜学子にラーメンよそる妹が居て  
金木犀撫づ消しゴムの香となりし  
二日酔ひ柿で治すと半分を  

  雨竜  
秋晴れの高き雲指しクラーク像  
喜寿の膳柿の果一つ添へられて  
枡酒に捩ぢり鉢巻秋祭り  
新涼や皇居一周ゆるゆると  
金木犀の香りつけたる花茶かな  

  比呂志  
板塀をはみ出し柿の五つ六つ  
山車を曳く親子三代秋祭  
虫の声起こりて雨の止むらしき  
亜麻色の髪をなびかせ涼新た  
金木犀の香りを集め蒸留会