第399回点盛り

利孟
寒晴れや島に石積む烽火台 恵比◎
長崎の島で、朝鮮半島も見えたり:比/晴れた空の下:恵
背を丸め一人ねぎまの鍋つつく あ虚雨
炬燵かなんかでの一人鍋のさびしさ:虚/美味しさと一人の侘しさ:雨/食事では姿勢を忘れたりするが、自分を見つめている目線と、孤独:あ
路地深く数多ホースの伸びて火事 比○
火事の句は見ないが、幹線道路からのホースが:比/
実千両鳥除けネットの赤き糸 恵比
鳥除けネットは赤いのがあるようで、面白い:比/小鳥が食べるので張っている、それも赤で:恵
ひもすがら薄闇暮らし雪囲ひ
義春
雪垣に留まる屋敷わらしかな 利○あ◎虚◎
いまひとつ分かりづらいか:比/いそうだな:虚/冬の妖精が潜んでいる感じ:あ
禅寺の庭の蹲踞実千両 利あ虚比
こういうことがありますね:比/禅寺の厳しさとの対比:虚/整然、粛粛の禅寺に赤い千両が効いている:あ
直箸でつつく寄せ鍋家族かな
直箸は、家族なら当たり前でも汚い句になる/
鷹の目に遙か領域いらこ崎
先行句があるからね
寒晴や信玄堤けふも尚
尚どうだったのでしょうか?
雨竜
雪囲い男結びの擦る音 利あ○虚○義○
職人の仕事ぶり:義/植木職などの乱れること無い手業:あ
冬の月白刃一線の居合術 利○虚
居合三段の宗匠に出す句とも思えない/月も刀の切れ味に重なる:虚/
ボタン鍋丹波の宿の自在鉤 利義
丹波の猪鍋の雰囲気:義/
寒晴れや南大門の仁王像
埋め尽くす花屋の花の実千両
あやの
すそわけの小粒中粒柚湯かな 利雨義比
お裾分けも自家産でしょうね:比/近所付き合いかの温かみ:義/もらった人が浮かべてる雰囲気:雨
古新聞の束抛られて寒の晴 利義◎
回収車に放り上げられているってことでしょうけど弱いね/古紙回収の状況:義/
基地めきて児の眼躍るや雪囲 利○雨
厳しさと、子供の遊び心の対比:雨
初対面も旧知も共に鍋囲む 利○
受診の日暦を埋めて実千両
なんで実千両か?
比呂志
躙り口くぐりた先の実千両 利雨○義
くぐって床の驚き:義/静寂と美しさ:雨
盛付けの肉の花咲きぼだん鍋 利恵○
肉を花のように盛り付ける感じが:恵/
永平寺これも修行と雪囲ひ
永平寺は余計でしょうが
寒晴れや丸く広がる空の青
万両の葉を傘にして実りけり
虚承
戦後史を語る女将やふぐの鍋 利◎恵◎
女将が面倒みてくれる鍋、問わず語りの話しぶり:恵/
新聞の今日の料理のおでん煮る 利恵あ
新聞に季節の料理が:恵/コンビニもあるし、自分で作るのに記事を見ながらの素直さ:あ
千両や四駆も唸る「254」
254は調べないと分からない、軽井沢がらみとは思うが/目印のように千両がある:虚/
寒晴れや織田鷹狩りへ天下布武
季重なり、天下布武が効かない
雪囲い茶屋のお点前予約して
金沢の茶屋街とか、茶屋には意味があれこれあり、お点前予約も?
?恵一
能管や摘みし野菊の花筐【はながたみ】 雨◎
能の舞台での造花の野菊では季語として働かない、能管を工夫すること/能を見ているような:雨
寒晴や花魁裾をからげ行く
からげるのと前妻を取るのは違うでしょう
もつ鍋のもつギュツギュツと噛みにけり
雪囲ちぎれたる縄片付けて
ちぎれるような縄では心許ないでしょう
千両や頬杖ついて宿の卓