第406回四天句会
令和5年7月11日
Zoomリモート句会
     
兼題 夕顔 涼風 あなご 梅雨明け
席題 朝顔市 




  利孟  
はかりめといふが江戸前穴子飯  
事務室の置き傘二本梅雨明ける  
涼風を生み手水舎に落ちる水  
夕顔や農道照らしバイク来て  
濁声を競ひ朝顔市の客寄せて  

  あやの  
寄席帰り家苞にして穴子ずし  
風涼し紐締め直しスニーカー  
夕顔や錆にまみれて鉄工所  
明易の人の多さよ朝顔市  
梅雨明やしきりに回る天球儀  

  比呂志  
夕顔やレトロガラスの窓灯り  
切れ端をつまみ食ひして穴子すし  
梅雨明けの青天空を突き抜けて  
呼び込みの朝顔市の娘の笑顔  
涼風やタオルケットにごろ寝して  

  虚承  
梅雨明けの空を女神湖受けきれず  
子の目には屋台のおもちゃ朝顔市  
涼風や飛車角落ちで指す将棋  
夕顔や光源氏の忍ぶ夜  
江戸前もSDGs穴子喰ふ  

  恵一  
鎌倉におはす大仏梅雨明ける  
朝顔市の朝顔守り黒髪に  
穴子釣る月の明るき防波堤  
ステテコの父涼風に熟寝して  
夕顔にかかる蛇口の水しぶき  

  雨竜  
梅雨明けや象の総身を洗ひ立て  
夕顔や座席指定の夜行バス  
梅雨明けや鳶の羽根の風を切る  
穴子めし船でつないで壱岐対馬  
朝顔市パパは赤子を片手抱き