第412回四天句会
令和6年正月9日 Zoom句会
   
兼題 初春 出初 大寒



  利孟  
薺粥二つ折りする三味の棹  
大寒の警策背ナに温かし  
なまはげや不惑いまだに青年団  
出初めへと法被の夫に打つ切り火  
初春の客をへだてて釜の湯気  




  恵一  
大寒の襖に墨の龍躍る
出初式鳶の支へる竹梯子  
冬の月マンドリン抱く朔太郎  
出初め式一斉放水虹を生む  
初春の空に真っ赤なセスナ飛ぶ  
  あやの  
地図帳に確かむニュース明の春  
録り溜めの映画みている三日かな  
期するものしつかと定め初明かり  
大寒や寝覚めの真夜に仰ぐ星  
おのおのの胸の重さや出初式  
  義春  
大寒や拍子木闇に沁み響く  
団長の焦げの半纏出初め式  
餅搗くや爺は一臼搗き上げて  
鮟鱇の吊るされ裂かれぶち切られ  
初春や呑めば故人の若きこゑ  

  雨竜  
出初式青空を舞ふトンビかな  
お年玉大きな声のありがとう  
大寒のエンジン震へつつ始動  
初春やラジオ体操腕をふり  
朝は晴れ夜は雨降る三日かな  
  虚承  
出初め式団の半纏色褪せて  
大寒に空唸りしてスターター  
孫二人スキーデビューに親四人  
初春や地震で刻む年となり  
書初めや位置を学びて落款を